インインと見た上野公園の夜桜
3月27日(火)の夜、インインとふたりで上野公園へ夜桜を見に行きました。
私の会社の終業時間は午後6時。
インインは午後8時から夜のお店のホステスのバイト。
つかの間の逢瀬を楽しむふたり。
いつもデートはこんな調子です。
「インイン」は漢字で書くと難しい字です。
おそらく変換できません。
最初の「イン」と次の「イン」は字が違います。
最初の「イン」には「海」とか「世界」とかいう意味があります。
次の「イン」は「光沢のある玉のような石」と辞書にあります。
この女、妹のようにかわいい。
でもいつまでも妹にしておくのはもったいない。
なんとかしたいという気もあります。
たまにメールが来るので返事するんですが、「インイン」を「淫淫」と打ったら怒っちゃいました。
「私は淫淫ではない。それは “yinyin” 。私は “yingying” 」
「yin」と「ying」の違い。
どちらも日本語で表記すると「イン」です。
でも中国語では明確に使い分け、聞き分けねばなりません。
「n」で終わる韻母(母音)を前鼻音、「ng」で終わる韻母を後鼻音といいます。
この違いは、例えば「安心」と「案内」という日本語の発音。
日本語で「安心」と言うときと、「案内」と言うときの、「ん」を発音するときの舌の位置。
明らかに違うのがわかるはずです。
「安心」の「安」は前鼻音、「案内」の「案」は後鼻音です。
(注:日本語で発音した場合の話。中国語では「安心(anxin)」も「案内(annei)」も前鼻音)
面白いのは前鼻音と後鼻音の違いと日本語の漢字の音読みとの関係。
「yin」と発音する漢字を思いつくまま挙げてみます。
引 飲 音 因 銀 印 ・・・ などなど
では、「ying」と発音する漢字にはどんなものがあるでしょうか。
英 影 迎 応 硬 営 ・・・ などなど
お気づきのように、「n」で終わる漢字を音読みすると「ン」で終わるのに対し、「ng」で終わる漢字は「ン」で終わらない。 (注:稀に例外もあります)
日本に漢字が伝わったのは5世紀から6世紀の頃と言われています。 (あるいはもっと早かったとする説もある)
同じ音読みでも、伝来の時期により呉音、漢音、唐音などと区別されています。
私が面白いなと思うのは、そんな古い時代の日本人が、前鼻音と後鼻音をきちんと聞き分けていたということです。
もちろん中国における漢字の発音は時代により変遷してますし、現代以上にその発音は何十種類もあったはず。
当時日本に伝わった漢字の発音は前鼻音と後鼻音の区別が明確であったのかもしれません。
さて、花見をするのが初めてだと言うインイン。
お好み焼きやもつ煮込みを買って食べました。
私はビール、インインはコーラ。
とうもろこしをうまそうに食うインイン。
あいにく27日のこの日、風は少し冷たく、桜もまだ咲きかけで華やかさはありませんでした。
「もう時間。行かなきゃ。小猿、ありがとね」
私のほっぺに寸止めのキスをすると、夜の街へ消えて行きました。
中国語には副詞がないために、独特の日本語(固定観念的なイメージでは~アルヨ、~ナイヨ)になってしまうのだと聞いたことがありますが、それは正しいですか?小猿先生へ
by もん (2007-04-01 15:23)
追伸:本日の記事は実に興味深く勉強になったので御座りますが、その刺身のツマの、サカリの小猿話が肝心の鮮魚より出しゃばった感があり、感情的にナイスは押せぬことを申し添えるので御座る。ニンニン。
by もん (2007-04-01 15:29)
もんちゃんへ
「副詞」ってなんだっけ?中国語にもあるはずですよ。
アルヨ、ナイヨは、中国語の「有没有~」という語法を引きずっていると考えられます。ごめんね、マジメな回答で。
by リス太郎 (2007-04-01 16:44)
もんちゃんへ
ナイスつけない理由をいちいち述べなくてもいいです。(笑)
by リス太郎 (2007-04-01 16:45)
中国語全然わかりませんし、英語モ、最近の学力試験で、自分の語学力の低下というか、語学力のなさにあきれかえります。娘は英語が一番得意で、すでに私を見下さしていますわ。まあ、現役の子にはかないませんけどね。
by (2007-04-01 19:40)
ほら、「英語モ」の「モ」がカタカナになってる!(笑)
by リス太郎 (2007-04-01 20:03)
n と ng のちがい 目からウロコの思いでございます。
アンシン アンナイ アンシン アンナイ……
この間中国の方と英語で話をしていたら Osaka ってどこだと聞かれました
Daban っていわないと わかんない ああややこしい
by (2007-04-01 22:22)
mompeli さんへ
そういうこと、よくあります。逆の場合もね。
by リス太郎 (2007-04-02 00:40)
>ナイスつけない理由をいちいち述べなくてもいいです。(笑)
ちょっぴり、「折角の素晴らしき内容を~~」の呟きなのでごじゃる。ニンニン。リス小猿さんらしくて好きだけどね。
by もん (2007-04-02 01:46)
おお、これは、漢字を習い始める学生にいつもするお話です。
「ん」には、日本語を母語と刷る日本人がなかなか気付かないもう一つの顔があります。「m」の発音です。
「新宿」と「新橋」を発音してみると、「n」と「m」の違うが分かるでしょう。
新橋の方は唇を閉じますよね。
この二つの「ん」は、ドイツ人にしてみたら全く別の音です。しっかり聞き分けて、片方を「Shinjuku」とメモり、もう片方を「Shimbashi」とメモります。
カンさんという日本人が新しく来る、と聞いた学生がすかさず尋ねました。発音は「Kan-san」ですか、「Kam-san」ですか?
これにngが入ると、さらにややこしくなるので、私は諦めて、「私の発音を聞いて自分で習得しなさい」と言ってます。
by めぎ (2007-04-02 20:46)
めぎさんへ
「ん」は奥が深いね。
by リス太郎 (2007-04-06 04:11)