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海上自衛隊の内部調査

4月13日(金)付け産経新聞朝刊の一面トップはこれだった。
不法滞在の中国人を妻に持つ海上自衛隊員が護衛艦情報を持ち出した事件があった。
これを受け海上自衛隊は外国籍の配偶者がいる隊員の人数を内部調査した。
その結果、約100人の隊員に外国籍の奥さんがいることがわかったそうだ。
いちいち「内部調査」しなきゃわからんのかという疑問もあれば、だからなんなんだとも思う。

海上自衛隊員約4万人について調査したらしい。
4万人もいるうちのたった100人の話である。
自衛隊員が外国人の奥さんを持つこと自体、問題だと言いたげである。

ちなみに日本の年間結婚件数の20件に1件は国際結婚である。
そんなにいるかと思うかもしれないが事実である。
偽装結婚なども含まれるが、それを差し引いても国際結婚は当たり前になっている。

自衛隊の幹部の中には、脅威の対象となる周辺国籍の人との結婚は慎重にとまで言う者もいるらしい。
「結婚の自由は尊重するが」と言うが、ちっとも尊重していない。

100人の外国籍妻は東南アジア系と中国系が大半を占める。
自衛隊員というのは過酷な職業だと思う。
異性と出会う機会もなかなかないかもしれない。
特に海上自衛隊は長期の航海がある。
連絡も取れない。
「結婚難が背景にあり、外国人との結婚も増える傾向にあるとされる」という。
(4万人のうちたった100人なんだが)

久間章生防衛相は、「疑わしい者はタッチさせない」として、特定の部署にある隊員には特別に配慮していることを認めている。

安倍が変えたくてうずうずしている日本国憲法第9条第2項にはこうある。

陸海空軍その他戦力は、これを保持しない。
国の交戦権はこれを認めない。

自衛隊が憲法違反であるのは間違いない。
戦争をしないための一番積極的な方法は軍隊を放棄することである。
アメリカが民主主義と人権を国是とするなら、日本は平和憲法を国是とし世界へメッセージを送るべきである。

もっと早い時期から、段階的に縮小するなりその性質を変えていくべきであるが、そういう努力を政治家は怠ってきた。
そして現在の憲法危機を迎えている。

誤解しないでほしいが私は世間一般の人以上に自衛官を尊敬している。
災害が起きたとき泥まみれで救助活動をするのは誰だ。
国民の安全を守る仕事は素晴らしいと思う。
マネーゲームに興じて何も生み出さない人たちとはえらい違いだ。

だが私は戦争は問答無用で悪だと思う。
自衛隊のイラク派兵にも断固反対だ。
自衛官たちは、「行きたくありません」などとは言えないだろう。
プライドが許さないと思う。
だから代わりに私が言う。
日本の兵隊にアメリカの戦争を手伝わすな。

今、ふと神保町の古本屋で見つけた万葉集について書かれた古い本を思い出した。
聖徳太子は「和を以って尊しとなす」と言ったらしい。
著者は太子のいう「和」は現代人が思うほど牧歌的なものではなかったという。
当時は国家といっても境界はあいまい、国家はそのままアジア全域へと続いていた。
大陸や半島では隋や高句麗、新羅などが、抜き差しならない攻防戦を繰り広げていた。
日本列島にもどんどん亡命者が流れ着いてくる。

「日いずるところの天子、書を、日没するところの天子に送る」
太子が隋の煬帝に送った手紙であるが、今の日本人は誤解しているようだ。
東海の小島の小国が虚勢を張っているわけではない。
半島への侵略を目論む隋に対して外交手段で出鼻をくじいたのである。
この手紙を送る前、太子は隋の傀儡である新羅をやぶっている。
煬帝は太子の不敬をののしったというが、どうだろう。
推測にすぎないが半島への南下政策を見直したのではないだろうか。
太子は朝貢ではなく、あくまでも対等の立場を主張したのである。

先に書いたことと矛盾したことを言う。
最低限の軍備は必要かもしれない。
しかしそれを使うことは現代においてはあってはならない。
そして徐々になくしていく努力はやはり必要なのである。
それを遠慮なく堂々と主張すべきである。

私は万葉集が好きだ。
特に防人の歌が好きだ。
しかしそれは万葉の世界だけにしていただきたい。

わが妻は いたくこひらし 飲むみずに
影さへみえて よに忘られず
                           よみびとしらず


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コメント 8

もん

石破さんと爆笑問題の太田議論を見るようだな。
>プライドが許さないと思う。
>だから代わりに私が言う。
そのレベルのまえに、その職に就いた事由はそんなものではないだろう。
そして実際に就いて、その内情や現実もキレイゴトではなくて。
戦争は争うために争われる。世界唯一の被爆国は永遠にその戦争を放棄した。しかし頭上をテポドンが通り過ぎていくのを、他国に教えられていた現実はどう見る?私は断固とした嫌米嫌イだが、日本は焼き尽くされてから「やられちゃったね・・」と云うしかないのか?九条の制定された時代と現代の世界情勢は変遷していないのか?矛盾は常にある。「海は死にますか山は死にますか」は今やボタン一個押せば可能な時代。こんな混沌の中に、どこにも正解はない、と考える。でも正義とポリシーは誰にもある。言い分も。その言い分のラインが著しく侵されている時代でもある。
ハニー・トラップに今頃やんやできる国は平和だよ・・。
by もん (2007-04-16 00:57) 

日本はね スパイがいません
スパイがいないと 兵隊さんがいても 武器もってても 
情報がないから その時点で たぶん勝ち目はないのですね
自衛隊よりスパイを育てなきゃ っていったって 
先輩スパイがいないので 今の日本 スパイは養成できません

いやワタシごときに知られているスパイなんて いたとしてもだめですよね
いるのかな~日本のスパイ
by (2007-04-16 21:43) 

リス太郎

もんちゃんへ
私は石破茂さんでもなければ太田光さんでもない。まして田中裕二さんでもない。珍小やけど。
私は私である。あんたかてそうやろう。違いのわからない人間には自分と違う意見が全て同じに見えてしまう。「反米」だの「親米」だの、「右翼」だの「左翼」だのという見方しかできない奴の典型と言える。もう少し国際情勢を勉強してから出直して来なさい。
by リス太郎 (2007-04-17 04:49) 

リス太郎

mompeli さんへ
さあ、どうでしょうね。あまり興味ないけどね。
by リス太郎 (2007-04-17 04:51) 

もん

想像面と情勢を一緒くたに語ること自体がナンセンスだと思っただけだよ。
反論はしない。あなたの云うことに納得してるから。
私の友人は前線にいる。自衛隊が無事にサマワから還れたのは別に運が良いわけでも、紛争地を避けているからでもない。心情右翼だ左翼だ軍事オタクだは此処の認識カテゴライズでどうでも良いこと。思想を名乗ること自体、ただのマスターベーションですよ。自分も実際になんにもしていない糞のうちの一人だってことに変わりはないわ。
「外注される戦争 民間軍事会社の正体」 菅原 出 
by もん (2007-04-17 17:57) 

リス太郎

もんちゃんへ
想像面と情勢を一緒に語るというのが、どの部分を指しているのかわからない。それがナンセンスだとも思わない。
なぜ聖徳太子の話など持ち出したかはおわかりだと思う。当時の東アジア情勢もまた今日と共通点が多い。「和を以って尊しとなす」は諸外国に向けて発したメッセージと考えられる。
北朝鮮の脅威をことさらに強調する政府とマスコミ。簡単に洗脳される国民。非武装中立は決して非現実的な話ではないのに。現に東アジアにおける平和秩序は徐々にではあるが構築されつつある。主導しているのはアメリカと中国であるが、日本もしぶしぶ協力体制に組み込まれている。先日の温家宝首相来日でもそれがはっきりした。
米軍再編で在日米軍も徐々に撤退していく。「であれば9条改正」と単純に考える政治家やエセ文化人に同調してほしくない。日本国憲法の素晴らしさを全世界に向けて発信すべきと思う。
by リス太郎 (2007-04-19 06:07) 

もん

貴兄と私の考え方や捉え方は決して併走することはないと思うけど、迎合、融合できない者同士が語り合える縁があるってことは、有り難いことだよ。丸め込んでるんじゃないよ。互いに触れている面が違うだけ。でも「相手の云わんとすることを、腕組みしないで聞く」って姿勢は忘れないでいたいと思うのさ。
by もん (2007-04-19 18:01) 

リス太郎

もんちゃんへ
私もそう思います。でも手加減しないからね。(笑)
by リス太郎 (2007-04-20 05:20) 

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