「濫用的買収者」と認定されたスティール・パートナーズ
東京高裁は9日、スティール・パートナーズの抗告を棄却した。
藤村啓裁判長はスティールを「濫用的買収者」と認定した。
新株予約券を使った買収防衛策が発動されれば、スティールの持ち株比率は約10%から3%以下になる見通し。
資本主義のルールを捻じ曲げた東京高裁の決定に強く抗議する。
誤った世論を形成しようとする動きに対し警鐘を鳴らしたい。
2005年3月に東京高裁が示した濫用的買収者には次の4類型がある。
①経営参加の意思がなく、高値で株式を会社関係者に引き取らせる (グリーンメーラー)
②経営に必要な知的財産、企業秘密、取引先などを買収者に移譲させる (焦土化経営)
③会社資産を、買収者の債務の担保や弁済原資に流用する
④不動産、有価証券などの資産を処分した利益で配当を高くし、株価を高くして売り抜ける
ライブドアとニッポン放送の争いを巡る仮処分決定で示され、買収者が4類型に該当する場合、取締役会が買収防衛策を発動することを容認した。
私はこれら4つの類型の何がそんなに悪いのか理解できない。
正当な経済活動であり、投資ファンドとはそういうものである。
「虚業」というかもしれない。
しかし私たちの社会、経済というものは、そういった「虚業」の上に成り立っているのである。
高裁決定の骨子を見てみたい。
●株主総会で8割を超す賛成で可決された防衛策は著しく不公正な方法ではない。
●スティールは濫用的買収者と認めるのが相当というべきだ。
●不当な公開買い付けに対する防衛策なら、買収者を差別的に扱っても株主平等原則には反しない。
スティールによるTOBのどこが「不当」なのかわからないが、「濫用的」と認められることが「不当」ということだろうか。
また、裁判長はこうも言っている。
「投資ファンドという組織の性格上、顧客利益を優先、短中期的に株式転売などでひたすら自らの利益を追求する存在」
この裁判長は社会主義者だろうか。
それとも一部経営者の都合にあわせて社会主義者になるのだろうか。
いずれにせよ、「投資ファンドは株式市場から出て行け」と言っているに等しい。
会社は誰のものか。
経営者の私物でないことは確かだが、明確な答えを出すのは難しい。
しかし株主に最も大きな権利があることに、異論を挟む人は少ないと思う。
株取引をしている人のほとんどが投資目的であるように、投資ファンドもそうである。
株の売買で儲けようとする人たちのおかげで企業活動は支えられている。
一部の株主を気に入らないからと排除することは許されない。
投資ファンドが日本企業の株を一斉に売りに出すのはいつなのか。
株価の推移に気をつけておく必要がある。
つか、スティールにとっちゃ内心ニンマリだわな。
by もん (2007-07-11 17:03)
もんちゃんへ
この程度でニンマリするかね。最初から負けのないケンカなんだけど。
日本人はもっと世界経済の潮流に乗ることを考えたほうがいい。ファンドによる買収を受け入れられないなら上場など取りやめることや。
by リス太郎 (2007-07-11 20:25)
ぺりさんへ
ナイス有難う。
by リス太郎 (2007-07-11 20:26)
とっくに売り抜けてる人もいるだろうけど、
結果的に損をするのは、会社から多大な資金の流失(出)したあとに、
残っている株主たち、という公式は見えてたわけですから。
TOB祭りが済んだら、株価も↓な線もあるわけで。
by もん (2007-07-11 20:55)
ここんとこ連日のストップ安やで。総会でスティールをさえぎった他の株主というのは本当に頭が悪いと感心する。
by リス太郎 (2007-07-11 21:11)
まぁ、そこが日本の湿度の良さでもあり、狭さでもありんす。
by もん (2007-07-11 21:17)