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京都鞍馬口旅情 鞍馬口のホテルで深海魚に遭遇の巻 [旅情シリーズ]

9月15日、土曜の昼。
東京西葛西の自宅で電話をかけまくる男がいた。
「今晩から4連泊、ひとりいけるか?」
「申し訳ございません。今日と明日は満室でございます」
敬老の日で3連休のこの日、観光地京都のホテルはどこも満室であった。

ガチャンガチャンと受話器を叩きつける私。
とうとう電話がつぶれてもた。
キーキー怒るよめはん。

「会社の電話はこれぐらいではつぶれんけどな」
「会社でもそんなことやっとんか!」

しょうがないので携帯でかける。
やっとみつけたホテルは鞍馬口。

鞍馬口というと天狗が出てきそうですが、別に鞍馬山のふもとにあるわけではありません。
地下鉄烏丸線の北大路のひとつ手前。
京都イン加茂川は烏丸鞍馬口から東へ10分ほど歩いた加茂川べり近くにあります。

京都は学生時代、5年間住んだ街。
土地勘はばっちりです。
しかし改めてつくづく思いました。
田舎町やな・・・

烏丸通から鞍馬口通へ入るとそこはもう江戸時代。
一方通行で車一台通るのがやっとの細道沿いは、墨で黒く塗った商家や民家が連なります。
竹を細く割って曲げたものが黒く塗られて整然と並んでいます。
これは雪よけでしょうか。
せっかく住んでたんだから、そんなことにも興味を持てばよかったなと思います。

重たいトランクをころころしながら細道を行く。
青い看板が見えた。
ここが京都イン加茂川。
ホテルというより民宿。
時間は午後11時。

「電話した篠原や」
「おいでやす」

深海魚みたいな顔のばあさん。
鬼瓦というか六代目松鶴師匠の女版というか。

「メシ食いに行きたいんやけど門限あるんか」
「あるけどかまへんで」
「ほな荷物置いたら出かけるわ」
「4泊でんな。さきはろて」
「明日の晩でええやろ」
「(急にムッとする)」

部屋は3階。
ギシギシいう細く折れ曲がった階段を上る。
リーフレットの類がぎっしりつまった私のトランクを3階まで上げるのは骨が折れる。

外へ出たが烏丸通まで戻らないと何もなく、たこ焼きとビールを買って帰り部屋で食う。
深海魚は怖い顔をして睨んだまま。

宿賃をすぐ払わないのが気に入らないらしい。

実は今回、学会販売をふたつ予定しており、大量の釣銭が必要でした。
万札を出される方が多いので千円札は特にたくさん必要です。
あまり大金を持ち歩くのは危険なので釣銭しか持って来ませんでした。
万札が入ったらそれを旅費にしようと。
だから明日の晩でええやろと言ったんですが、いちいち説明するのは面倒なので。

深海魚はまだ睨んでます。
でもこの深海魚、京都滞在の4日間で急速に打ち解けることになります。


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コメント 4

京都の店でニコニコ愛想のいいばあさんって みたことないかも(笑)
by (2007-10-06 08:51) 

ゆゆ

深海魚の写真がないねw
by ゆゆ (2007-10-06 09:30) 

リス太郎

ぺりさんへ
現金見せるとニコニコするよ。
by リス太郎 (2007-10-11 02:35) 

リス太郎

ゆゆちゃんへ
今度、京都行ったらツーショットで撮ってくるわ。
by リス太郎 (2007-10-11 02:37) 

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