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話芸のおもしろさ、話術のむずかしさ [大衆芸能]

出版物に誤植があってはならないように、落語は噛んではならない。
言い間違ったり言いよどんだり、聴衆に違和感を持たせてはならない。
そのためには稽古を繰り返すしかありません。
セリフを固定化すれば噛むことは少なくなるのですが、セリフの固定化が落語をつまらなくするのも事実です。

決めたとおりにしかしゃべらない落語はつまらない。
客の反応に合わせにくいし、間違えたときごまかしにくい。
どうにでも転べる自在さを常に持っていないといけない。
長くも短くも自在に調整できなければ面白い落語はできない。

受けるはずのところで受けなかったとき、演者と聴衆との間に緊張が生まれます。
この緊張を聴衆に感じさせない間の取り方というのが難しい。
場合によってはフォローを入れることも必要。

逆に大受けして笑いが静まらないとき。
どうでもいいセリフでつなぎながら笑いが静まるのを待つ。
これを「捨てゼリフ」と言います。

客の反応を常に観察しながらセリフや間合いを変えていく。
あまり受けないときはつまらないくすぐりはカットしてしまう。
あるいは軽くながす。
逆効果になりかねないからです。

セリフを固定化する稽古と流動化する稽古。
そのどちらもが必要だと思います。
どうしても噛んでしまうところや間の悪いところ、盛り上げるために重要なところなどは繰り返し稽古します。
でも、うまくいかなくてもどんどん先へ進める稽古も必要。

米朝師はヤマ場で爆笑をとるためには、その前段階でのつまらないくすぐりは慎重にすべきと言っています。
面白いくすぐりが見当たらない場合には、聴かすための別の工夫が必要とも言っておられます。

別の工夫とはなにか。
それをずっと考えているのですが、まだぼんやりとしかわかりません。
ただ、笑いが少なくてもわくわくして聴きこんでしまう落語というのはあるわけで、ヒントはここにあるようです。
話術を鍛えなければならないわけですが、一朝一夕にできるものではなく、奥の深さを実感しています。

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コメント 6

ゆゆ

充実感に満たされるような、お客さんが楽しめる落語が披露できますように。
頑張ってください。
by ゆゆ (2008-03-02 19:06) 

リス太郎

ゆゆちゃんへ
俺って根本的にマジメなんかな。妥協できないのよね。
応援ありがとう。
by リス太郎 (2008-03-02 22:16) 

ゆゆ

根が真面目で、完璧主義で繊細なのがリスたろさんなので~す。
でもその根はもうひとつあり、正反対だと思われ(笑)
by ゆゆ (2008-03-03 03:12) 

リス太郎

ゆゆちゃんへ
確かに二面性あるよな。好きなこと(趣味)には徹底的にこだわるけど食うための手段(仕事)は徹底的に手を抜く。って、こんなことここに書いていいんだろうか・・・。趣味を仕事にしちゃいけないのかもしれない。人間国宝のような職人以外は。
by リス太郎 (2008-03-03 23:51) 

リス太郎

めぎさんへ
ナイス有難うございます。新婚生活どうでっか?
by リス太郎 (2008-03-03 23:52) 

リス太郎

ぺりさんへ
ナイス有難うございます。
by リス太郎 (2008-03-07 06:30) 

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