離婚承認確定判決を受けず日本で再婚が成立した場合のビザ更新 [離婚歴のあるフィリピン国籍の方との結婚]
フィリピンで離婚承認確定判決(Judicial Recognition of Foreign Divorce)を受けず、事後に必ず受けることを前提に管轄法務局で婚姻届が受理された場合のビザ更新(在留期間更新)の話です。
何とか更新許可が出ました。やれやれです。しかし期間は当然に「1年」に戻され、次回更新時には離婚承認確定判決を受け、その証明書類を添付の上で更新許可申請をするよう厳重に言われました。
つまり判決正本の呈示、そして当然に再婚相手との婚姻届(ROM)を駐日フィリピン公館で済ませ、その証明書の呈示、それぞれの写し提出、ということです。入国管理局は日本で法的に実態のある婚姻が成立しただけでは足りず、相手国でも婚姻が承認されていることを必ず求めます。でないと配偶者としてのビザを与えてくれません。それぞれの国情、個人的事情などあるので、もう少し柔軟に対応してほしいところですが、「重婚を防ぐ」の一点張りです。
しかしながら、私の妻の友人の義理の弟さんですが、ミャンマー人女性と結婚して日本に暮らしています。ミャンマー人女性は国際結婚ができないらしく、ミャンマーでの結婚登録はしていないと伝え聞いています。東京に住んでおられるようなので、菓子折もって話を聞きに行きたいのですが。
次のサイトが参考になると思います。
https://www.a-m-k.jp/faq/myanmar.html
ちなみに先日、扇好亭一門の例会で師匠からお聞きした話では、某出版社の社長さんが難民のラオス人女性と結婚したとのことです。実に大変だったとのことで、よく頑張ったなあと思います。
幼児期に親と一緒に日本に来られたので日本語はペラペラだそうです。難民申請は認定されたと伝え聞きましたが、申請中または異議申立中の可能性もあると思います。我が国はそう簡単には難民認定しません(尻の穴がこまい)。
2012年の認定数はたった18人です。自衛隊を海外に派遣するだけが国際貢献ではありません。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri03_00094.html
国がやらないなら日本人の誇りにかけて私たちひとりひとりがやるしかありません。
https://www.japanforunhcr.org/form/maitsuki_card/
なんか脱線しておりますが、本題に戻ります。
今回のクライアントである日本人男性とフィリピン人女性ですが、とりあえず1年のビザがおりてほっとしておられます。本来の在留期限から2ヶ月を経過する直前まで結果は出ませんでした(入管法20条5項参照)。申請受理から許可まで約4ヶ月半です。
その間、私は覚えているだけでも計4度、東京入管永住審査部門に足を運び審査状況を打診しています。そしてそのうち2度は任意追加資料提出をしています。最後はハラハラしながら窓口で訴えたのですが、渋い顔で「重婚の可能性」と言われ、「重婚の可能性のあるものを法務局が受理します?」と申し上げたのですが、それでも「う~ん」と。
その後、私は日本人の旦那さんに電話し、「奥さんを不安がらせてはいけないが最悪の事態を覚悟してほしい」と伝えました。この方も私の好きなタイプというか、腹の据わった真の日本男児なので、動じる様子は全くなく、私としては救いでした。
私の仕事は無事に遂行されました。ただ、1年後に更新できなければ意味がない。弁護士費用の工面も含めて、1年で無事に判決を得られるのか、今後もできる限りサポートしていくつもりです。
その他、関連情報です。
聞いた話なので真偽の程はわかりませんが、ダバオ地裁はこれまで約15件の離婚承認裁判を扱ったが全て棄却したとのこと。理由は「日本法で離婚後に再婚できる理由がわからない」というもの。
これに対し私は英語の説明文と憲法24条および民法第4編の和文英文併記資料を作成しました。英訳は法務省のものを利用。蛇足ながら著作物を裁判手続のため複製することは合法です(著作権法42条)。
http://www.japaneselawtranslation.go.jp/
結果、どうなったかは相談者から報告がないのでわかりません。弁護士がセブ島の人らしく、去年末に確認した段階では、ヨランダ台風による被害で連絡が取りにくい状況とのことです。
現在のところ、フィリピンで離婚承認確定判決を得た事例というのは、私の知る限りありません。2012年11月1日から1年3ヶ月ですから、そろそろあるはずだと思いますが、よく考えたら日本の家族法(民法第4編)に詳しいフィリピンの弁護士がそういらっしゃるようには思えません。勢い、報酬額は高くなる。一般人は弁護士を雇いたくとも雇えない。そもそも、自信を持って引き受けられる弁護士はまだまだ少ないはず。
そういった事情について法務局や入国管理局の理解がもっと得られればと願います。
【お問い合わせ先】
http://shinohara-visaoffice.com/
何とか更新許可が出ました。やれやれです。しかし期間は当然に「1年」に戻され、次回更新時には離婚承認確定判決を受け、その証明書類を添付の上で更新許可申請をするよう厳重に言われました。
つまり判決正本の呈示、そして当然に再婚相手との婚姻届(ROM)を駐日フィリピン公館で済ませ、その証明書の呈示、それぞれの写し提出、ということです。入国管理局は日本で法的に実態のある婚姻が成立しただけでは足りず、相手国でも婚姻が承認されていることを必ず求めます。でないと配偶者としてのビザを与えてくれません。それぞれの国情、個人的事情などあるので、もう少し柔軟に対応してほしいところですが、「重婚を防ぐ」の一点張りです。
しかしながら、私の妻の友人の義理の弟さんですが、ミャンマー人女性と結婚して日本に暮らしています。ミャンマー人女性は国際結婚ができないらしく、ミャンマーでの結婚登録はしていないと伝え聞いています。東京に住んでおられるようなので、菓子折もって話を聞きに行きたいのですが。
次のサイトが参考になると思います。
https://www.a-m-k.jp/faq/myanmar.html
ちなみに先日、扇好亭一門の例会で師匠からお聞きした話では、某出版社の社長さんが難民のラオス人女性と結婚したとのことです。実に大変だったとのことで、よく頑張ったなあと思います。
幼児期に親と一緒に日本に来られたので日本語はペラペラだそうです。難民申請は認定されたと伝え聞きましたが、申請中または異議申立中の可能性もあると思います。我が国はそう簡単には難民認定しません(尻の穴がこまい)。
2012年の認定数はたった18人です。自衛隊を海外に派遣するだけが国際貢献ではありません。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri03_00094.html
国がやらないなら日本人の誇りにかけて私たちひとりひとりがやるしかありません。
https://www.japanforunhcr.org/form/maitsuki_card/
なんか脱線しておりますが、本題に戻ります。
今回のクライアントである日本人男性とフィリピン人女性ですが、とりあえず1年のビザがおりてほっとしておられます。本来の在留期限から2ヶ月を経過する直前まで結果は出ませんでした(入管法20条5項参照)。申請受理から許可まで約4ヶ月半です。
その間、私は覚えているだけでも計4度、東京入管永住審査部門に足を運び審査状況を打診しています。そしてそのうち2度は任意追加資料提出をしています。最後はハラハラしながら窓口で訴えたのですが、渋い顔で「重婚の可能性」と言われ、「重婚の可能性のあるものを法務局が受理します?」と申し上げたのですが、それでも「う~ん」と。
その後、私は日本人の旦那さんに電話し、「奥さんを不安がらせてはいけないが最悪の事態を覚悟してほしい」と伝えました。この方も私の好きなタイプというか、腹の据わった真の日本男児なので、動じる様子は全くなく、私としては救いでした。
私の仕事は無事に遂行されました。ただ、1年後に更新できなければ意味がない。弁護士費用の工面も含めて、1年で無事に判決を得られるのか、今後もできる限りサポートしていくつもりです。
その他、関連情報です。
聞いた話なので真偽の程はわかりませんが、ダバオ地裁はこれまで約15件の離婚承認裁判を扱ったが全て棄却したとのこと。理由は「日本法で離婚後に再婚できる理由がわからない」というもの。
これに対し私は英語の説明文と憲法24条および民法第4編の和文英文併記資料を作成しました。英訳は法務省のものを利用。蛇足ながら著作物を裁判手続のため複製することは合法です(著作権法42条)。
http://www.japaneselawtranslation.go.jp/
結果、どうなったかは相談者から報告がないのでわかりません。弁護士がセブ島の人らしく、去年末に確認した段階では、ヨランダ台風による被害で連絡が取りにくい状況とのことです。
現在のところ、フィリピンで離婚承認確定判決を得た事例というのは、私の知る限りありません。2012年11月1日から1年3ヶ月ですから、そろそろあるはずだと思いますが、よく考えたら日本の家族法(民法第4編)に詳しいフィリピンの弁護士がそういらっしゃるようには思えません。勢い、報酬額は高くなる。一般人は弁護士を雇いたくとも雇えない。そもそも、自信を持って引き受けられる弁護士はまだまだ少ないはず。
そういった事情について法務局や入国管理局の理解がもっと得られればと願います。
【お問い合わせ先】
http://shinohara-visaoffice.com/
ゆきママさんへ
いつもご愛読ありがとうございます。
by リス太郎 (2014-02-02 19:58)
こんなニュースがあります。本日日経夕刊一面。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFB0406T_V00C14A3MM0000/
by リス太郎 (2014-03-05 21:51)
栗栖先生のホームページより。
「フィリピン人との結婚(再婚)について」
じっくり読ませていただきました。
非常に参考になります。希望が持てます。
http://immigration.jpn.com/kaihou.html
私じゃ不安な方は栗栖先生を訪ねてください。
私は私で引き続き努力しますが、私のキャリア、能力では限界があることは認めざるを得ません。
by リス太郎 (2014-04-08 21:26)
イミグレーションロー実務研究会の研修が5月10日にあり、第2部で栗栖先生が「在日フィリピン人の離婚・再婚と定住変更の実務」の講師をされる。是が非でも聴講したいところですが、拍子の悪いことに、この日は扇好亭の一門会なんです。
一瞬、一門会を理由つけて欠場しようかと思いました。しかしよく考えるに、栗栖先生の講義は私が聴かなくても誰も困らない。一門会は私が高座に穴をあけると大勢の方に大迷惑がかかる。
仕方ありません。
by リス太郎 (2014-04-08 21:37)
外務省の公印確認とアポスティーユの申請様式が今年から変更されています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/shomei/index.html
先日、久しぶりに外務省サイトのこのページにアクセスして知りました。
4月1日からリニューアルしたみたいです。
前より見にくいんだけど・・・。
by リス太郎 (2014-04-11 13:08)