『大関河童川』 [大衆芸能]
この原稿はブログに公開するつもりはありませんでした。しかしアニマルボイスさんからは呆れられており、独力で電子書籍にしてみせようと。電子書籍の流通システムも知らないくせに。書いてるのは片岡馬藏ということになってます。大人の事情です。馬藏は私より10才下の46才(当時)という設定になっており大阪府寝屋川市に住んでいます。長兄の龍蔵は私です。次兄は蛇藏です。「辰巳午」です。尚、「蔵」と私は書いたのですが「藏」となったのはアニマルさんの変換ミスかわざとか知りません。
片岡馬藏のヒントは妻の母方の祖父である片岡鹿蔵から来ています。岡山県北木島から大阪府寝屋川市に出てきていろんな商売を始めましたが、ことごとく失敗しました。しかしいつも豪快に笑い飛ばす人物だったらしく女性にはことごとくもてたそうです。岡山県笠岡市出身でカリフォルニアの農園で移民として働いていたため英語が堪能な奥さん(つまり妻の母方の祖母)との間には子どもが何人いるんだ。とにかく妻の親戚はややこしくて把握しきれない。
で、「片岡馬蔵」のはずが「片岡馬藏」になってしまい変換がめんどくさくて仕方ない。もう『山波』は事実上の廃刊となったんだから「篠原拓生」でもいいのですが、これまで書いた原稿が「片岡馬藏/寝屋川市在住/46才」となっているためそれで通すしかありません。
まあ、落語のことを考えているときが一番幸せなんですが、和楽苑や扇好亭で実演するとなると稽古も必要ですし大変です。その点、「読む創作落語」は楽です。楽といっちゃ変なんですが、覚える必要がないということです。
仕事に疲れた男女がベッドで横になりながらスマホで気軽に読める創作落語というのが目標です。コミックなんかいまやもう電子が当たり前でしょう。法律書とかは電子書籍では役に立たないのですが。『うどんの女(ひと)』というコミックが電子書籍であり試し読みをしたんですが、もう続きが読みたくて仕方ない。でも買い方がわからない。そんなの妻に言えないし。バツイチ三十路の美人は美大の18才の学生とどうなるのか。考えただけでワクワクします。
実はこれから紹介する『大関河童川』の原稿は2024年6月8日の土曜日早朝に徹夜で書き上げています。躁状態。ある程度、眠ってから何度も読み直しました。その上でゆゆちゃん、妻、濵田さん、えみちゃん、あいちゃん、扇好亭のみなさんなどにラインなどで送りました。アニマルボイスさんには送っていません。あの人、原稿が来ると職業病で赤を入れたくなるんです。仕事の邪魔をするなと叱られるだけなので。
あと扇好亭の雪珍亭雲痴師匠。牛久市在住なんですが元原稿は「牛久市の二所ノ関部屋」だったんです。「二所ノ関部屋は隣町の阿見町だ」と。わざわざ写真まで送ってくれて。「郷土の誇り稀勢の里を取り上げてくれてありがとう」みたいな。そんな感想どうでもええねんけど。
ほとんどの人は無関心というかノーコメントなんですが意味がわからないんだと思います。ゆゆちゃんや妻が言うには「相撲に関するゴシップに詳しくないとわからない」と。私もそう思います。であれば相撲に詳しい人だけ読んでくださればいいのです。
では、はじまりはじまり~。
■
『大関河童川』
片岡馬藏
みなさん、相撲はお好きでしょうか。私は大好きです。ヤフーのラインスタンプ「河童とタヌキ」を見ただけで思いついた創作落語。河童といえば柳田國男の『遠野物語』。え?知らない?ヤフーでググってください。
え?ヤフーなのに「ググる」はおかしい?とにかく河童の故郷・岩手県遠野市に相撲が大好きな河童がいました。川太郎くんと言います。
河童は相撲が好きなんです。キュウリも大好き。泳ぐのも得意。人間に「おっちゃん、相撲(すもん)とろ」と川から出てくる妖怪。頭にはお皿が乗っていて体は緑色をしております。
川太郎「おっちゃん、相撲とろ」
おっちゃん「なんや、川太郎くんやないか。相撲好きやな」
川「相撲とろ」
お「行司は誰がすんねん。タヌキのタヌ次郎か」
川「そうや」
タヌ次郎「みあってみあって。はっけよいのこったのこった」
タ「川太郎の勝ち~」
お「川太郎くんにはかなんわ。そや。東京に出て相撲取りになったらどないや」
川「相撲取りになったらええことあるんか」
お「優勝したらキュウリ一年分とかもらえる」
川「まじ?」
お「女にもてる」
川「そらええな」
お「キャバクラ行き放題」
川「キャバクラって何?」
お「河童クラブの人間版や。この遠野市にも街へ出たらある」
川「河童クラブ大好き。全裸のメス河童が温泉つかってお酒呑んでるやつ」
お「それは黄桜のCMや。とにかく東京に出て相撲取りになれ」
―――
ということでございまして、川太郎くん、釜石までJR釜石線で行きます。運賃は八六〇円。河童がなんでお金を持ってるのかって?知らんがな。
とにかく太平洋を泳ぎまして、茨城県の神栖港というところに上陸します。そこからは潮来まで泳ぎ、いったん上陸して霞ケ浦を河童泳ぎ。土浦で上陸し牛久へ。そこから二所ノ関部屋のある阿見町へ。
―――
川「元稀勢の里の二所ノ関親方、弟子にしてください」
二所ノ関親方「これからゴルフ行くからあとで」
川「今日は能登半島震災の義援金の勧進相撲ですよ」
―――
って、矛盾しまくるんですが、これは二〇二四年七月十四日の日曜日、大相撲七月場所初日の話なんです。
―――
二所「ゴルフは後援会から先に決まってる話」
―――
って、そんなんどうでもよろし。とにかく川太郎くんは二所ノ関部屋に入門しました。四股名は「河童川」。
河童なので人間とは体のつくりが違います。強いの強くないの。って、強いんです。前相撲から負けなしで、令和十年三月場所で新入幕千秋楽。解説はおなじみ舞の海さん。
―――
舞の海さん「すごいですねえ。河童ですからねえ。また鶯色のまわしがきれいですよねえ」
アナウンサー「河童川の得意は左四つからの右の上手投げ。これは強力です」
舞「今日の相手の横綱・大の里は右四つでケンカ四つですが、大の里は左四つになっても強いです。また押しもできます」
アナ「そうですよね。目が離せません」
舞「ひょっとしてですよ。ひょっとしてなんですけど、河童川のまわしが外れるようなことは……」
アナ「NHKでは放送できません」
舞「でも河童だからいいのでは?」
アナ「いけません。北の富士さんに解説かわってもらいますよ」
舞「お互いに十四勝同士ですからね。大の里は河童川のまわしをはずしにかかるのでは?」
アナ「おやめください」
―――
まあ、真面目な話、大の里の圧勝で寄り切り。大の里は大きな目玉をくりくりさせながら優勝杯をいただく。
その頃の角界では横綱が大の里、尊富士、朝乃山の三人で、大関がいないという。大関になった力士は何故か陥落してしまうという。関脇・小結も勝ったり負けたり。どうしても大関が出ない。
八角理事長は大関を作りたくて仕方ない。舞の海さんを呼び寄せまして。
―――
八角理事長「舞の海くん、ここはひとつ三役で三場所三十三勝という基準を取っ払いたいと思う」
舞「私もそう思います、理事長」
八角「ついては来場所、令和十年五月場所だが、河童川が全勝優勝したら大関にしたい。舞の海くんは解説でそのように世間に訴えてくれ」
舞「かしこかしこまりましたかしこ」
八角「なんだそれは」
舞「ハイキングウォーキングです」
八角「なに?」
舞「なんでもございません」
―――
さあ、令和十年五月場所千秋楽となります。河童川、大活躍。初日から十四連勝。地元の岩手県遠野市からは大勢の河童応援団がやってまいります。
また、海外からも注目され、「アンビリーバボー」と。モンゴルからは朝青龍がやってきて、「モンゴルにも河童はいないか」と。元白鵬の年寄・宮城野は自分の置かれた立場をよく理解しておらず、モンゴルに「川口浩探検隊」を送る。
舞の海さんは世間に対し「河童川全勝優勝で大関昇進」をアピール。
さあ日本中、いや、世界中が見守る大決戦は「横綱尊富士対東前頭六枚目河童川」。ともに十四勝。
―――
川之助「俺は川太郎と相撲を取り合った仲の川之助だ。川太郎は絶対に尊富士に勝って優勝し大関となる!」
川美(川太郎の妻)「あなた!がんばって!私のおなかの赤ちゃんも応援してるわ」
呼出の次郎「ひがーしー、たけるーふじー、たけるーふじー。にーしー、かっぱーがーわー、かっぱーがーわー」
場内アナウンス「東方、横綱、尊富士。青森県五所川原市出身、伊勢ケ濱部屋。西方、河童川。岩手県遠野市出身、二所ノ関部屋」
アナ「舞の海さん、この一番、どうなると思われますか」
舞「そりゃあ、河童川が勝つでしょう。勝てば大関ですから」
アナ「前頭六枚目からいきなり大関ですか」
舞「河童川は小兵ですが力が強く業師でもありますからね」
アナ「さあ時間です」
木村庄之助「はーっけよい!のこったのこった!」
アナ「おっと河童川、肩透かしにいったが決まらず。しかし攻める。左前みつを取り寄る!寄る!寄り切った!河童川、初優勝!」
―――
両国国技館はやんややんやの大喝采。ところがこのあと、週刊文春で以下のような記事がすっぱぬかれまして……。
「河童川、未成年に飲酒強制」
なんでも風呂に入ってる未成年の力士のところに乗り込み黄桜の一升瓶を無理やりラッパ呑みさせたんだとか。
どっかで聞いたことある話ですよね。そう。令和六年五月場所前の大の里。
―――
八角「二所ノ関くん、困ったことになったぞ」
二所「八角理事長、私の監督不行き届きです。誠に申し訳ございません」
八角「おまけにキャバクラばかり行ってるらしいじゃないか。コロナは5類になったからいいけど、朝乃山みたいになったら大変だぞ」
二所「なんでも江戸川区西葛西のテゾーロというキャバクラのえみちゃんというホステスに入れあげているそうです」
八角「この落語の作者と同じじゃないか。私は三十一日の臨時理事会の招集を了承してしまったぞ」
二所「申し訳ございません」
八角「しかし大関は喉から手が出るほど欲しい。何かいい知恵はないか」
二所「大丈夫です、理事長。あいつは河童です。水に流してしまえばいいのです」
……今回も、おあとがよろしいようで。
■
ちなみにこの文字数(A4/10.5級/4枚)で『山波』二段組4頁になります。電子の場合は関係ないのですが、ひょっと単行本にしようとなったときのため。
あと『オカマの開腹手術』と『ナマズの地震予知』を急がねばなりません。『西葛西のヌシ』はブログでやりましたが、これも創作落語化する必要があります。これは馬藏が西葛西に住む長兄の龍蔵から聞いた話をもとに創作したという形を取ります。
■
「写真があったほうがおもしろい」と書いたら「ボンヌ」のあいちゃんが「そうですね。あいもブログやってるけど必ず写真のっけます。文章力がないからだけどww」と。「写真は重要。閲覧数が一気に上がる」と。
写真は喫茶&パブ「みまつ」。腰の曲がったおばああさんがひとりでやってる。今もやってるかは不明。場所は葛飾区新小岩なんだけど新小岩駅から自転車で5分ぐらい走らねばなりません。ほとんど江戸川区。珈琲を頼むとお菓子がいっぱい出てくる。西葛西「ミール」か曳舟「ジロー」か。当然に煙草フリー。葛飾区も江戸川区と同じで外国人が多く、特に新小岩は外国人だらけ。当時はフィリピン人と新小岩のサイゼリヤで打ち合わせることが多かった。
領収書はカラでくれる。「10万とでも20万とでも好きに書いて」とかって。
壁には大相撲の番付表。なんちゃらゆう相撲取りのタニマチをやってた。夜はパブをやってたんだけどお客さんがどんどん死んじゃってやらなくなったとか。それでも人気店で有名政治家を紹介されたことがあります。
さて、仕事にかかります。今日は午後8時に船堀の「クリシュナパレス」でマリカのボーラ社長の友だちのインド人が独立して会社作りたいという話。前にもあった。コロナの前。結局、連絡取れなくなった。バスで船堀まで行き食事。私のフェイスブックにいつも「いいね」をくれるティワリ氏に会う。子どもを小学校に入れる手続きもみんな無償でやった。そんなもんで儲けようと思ってないから。
ボーラ社長とインド人はどうせ10時まで来ない。ダイエーの100円珈琲を飲みに行く。「クリシュナパレス」は「ムナル」と違い日本人客が少ないからネパール・インド大宴会となる。無料法律相談会。その様子をガラケーで写真とったけどどっかいった。そしてボーラ社長が来てやっと仕事の話になる。ボーラ社長は焼酎が大好きですぐ酔っ払う。インド人とひたすらヒンディー語でしゃべってる。めんどくさいので煙草を吸いに行く。午後10時閉店なんだけど社長がいるからコックは帰れない。深夜1時まで。なんかよくわからないまかない料理が次々と運ばれる。
そしてボーラ社長は歩いて奥さんの待つ家に帰るんだけど、私のほっぺをぺちぺちと叩き、
「せんせさん元気でね」
そして西葛西まで歩いて帰る。なんとかしろ。
片岡馬藏のヒントは妻の母方の祖父である片岡鹿蔵から来ています。岡山県北木島から大阪府寝屋川市に出てきていろんな商売を始めましたが、ことごとく失敗しました。しかしいつも豪快に笑い飛ばす人物だったらしく女性にはことごとくもてたそうです。岡山県笠岡市出身でカリフォルニアの農園で移民として働いていたため英語が堪能な奥さん(つまり妻の母方の祖母)との間には子どもが何人いるんだ。とにかく妻の親戚はややこしくて把握しきれない。
で、「片岡馬蔵」のはずが「片岡馬藏」になってしまい変換がめんどくさくて仕方ない。もう『山波』は事実上の廃刊となったんだから「篠原拓生」でもいいのですが、これまで書いた原稿が「片岡馬藏/寝屋川市在住/46才」となっているためそれで通すしかありません。
まあ、落語のことを考えているときが一番幸せなんですが、和楽苑や扇好亭で実演するとなると稽古も必要ですし大変です。その点、「読む創作落語」は楽です。楽といっちゃ変なんですが、覚える必要がないということです。
仕事に疲れた男女がベッドで横になりながらスマホで気軽に読める創作落語というのが目標です。コミックなんかいまやもう電子が当たり前でしょう。法律書とかは電子書籍では役に立たないのですが。『うどんの女(ひと)』というコミックが電子書籍であり試し読みをしたんですが、もう続きが読みたくて仕方ない。でも買い方がわからない。そんなの妻に言えないし。バツイチ三十路の美人は美大の18才の学生とどうなるのか。考えただけでワクワクします。
実はこれから紹介する『大関河童川』の原稿は2024年6月8日の土曜日早朝に徹夜で書き上げています。躁状態。ある程度、眠ってから何度も読み直しました。その上でゆゆちゃん、妻、濵田さん、えみちゃん、あいちゃん、扇好亭のみなさんなどにラインなどで送りました。アニマルボイスさんには送っていません。あの人、原稿が来ると職業病で赤を入れたくなるんです。仕事の邪魔をするなと叱られるだけなので。
あと扇好亭の雪珍亭雲痴師匠。牛久市在住なんですが元原稿は「牛久市の二所ノ関部屋」だったんです。「二所ノ関部屋は隣町の阿見町だ」と。わざわざ写真まで送ってくれて。「郷土の誇り稀勢の里を取り上げてくれてありがとう」みたいな。そんな感想どうでもええねんけど。
ほとんどの人は無関心というかノーコメントなんですが意味がわからないんだと思います。ゆゆちゃんや妻が言うには「相撲に関するゴシップに詳しくないとわからない」と。私もそう思います。であれば相撲に詳しい人だけ読んでくださればいいのです。
では、はじまりはじまり~。
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『大関河童川』
片岡馬藏
みなさん、相撲はお好きでしょうか。私は大好きです。ヤフーのラインスタンプ「河童とタヌキ」を見ただけで思いついた創作落語。河童といえば柳田國男の『遠野物語』。え?知らない?ヤフーでググってください。
え?ヤフーなのに「ググる」はおかしい?とにかく河童の故郷・岩手県遠野市に相撲が大好きな河童がいました。川太郎くんと言います。
河童は相撲が好きなんです。キュウリも大好き。泳ぐのも得意。人間に「おっちゃん、相撲(すもん)とろ」と川から出てくる妖怪。頭にはお皿が乗っていて体は緑色をしております。
川太郎「おっちゃん、相撲とろ」
おっちゃん「なんや、川太郎くんやないか。相撲好きやな」
川「相撲とろ」
お「行司は誰がすんねん。タヌキのタヌ次郎か」
川「そうや」
タヌ次郎「みあってみあって。はっけよいのこったのこった」
タ「川太郎の勝ち~」
お「川太郎くんにはかなんわ。そや。東京に出て相撲取りになったらどないや」
川「相撲取りになったらええことあるんか」
お「優勝したらキュウリ一年分とかもらえる」
川「まじ?」
お「女にもてる」
川「そらええな」
お「キャバクラ行き放題」
川「キャバクラって何?」
お「河童クラブの人間版や。この遠野市にも街へ出たらある」
川「河童クラブ大好き。全裸のメス河童が温泉つかってお酒呑んでるやつ」
お「それは黄桜のCMや。とにかく東京に出て相撲取りになれ」
―――
ということでございまして、川太郎くん、釜石までJR釜石線で行きます。運賃は八六〇円。河童がなんでお金を持ってるのかって?知らんがな。
とにかく太平洋を泳ぎまして、茨城県の神栖港というところに上陸します。そこからは潮来まで泳ぎ、いったん上陸して霞ケ浦を河童泳ぎ。土浦で上陸し牛久へ。そこから二所ノ関部屋のある阿見町へ。
―――
川「元稀勢の里の二所ノ関親方、弟子にしてください」
二所ノ関親方「これからゴルフ行くからあとで」
川「今日は能登半島震災の義援金の勧進相撲ですよ」
―――
って、矛盾しまくるんですが、これは二〇二四年七月十四日の日曜日、大相撲七月場所初日の話なんです。
―――
二所「ゴルフは後援会から先に決まってる話」
―――
って、そんなんどうでもよろし。とにかく川太郎くんは二所ノ関部屋に入門しました。四股名は「河童川」。
河童なので人間とは体のつくりが違います。強いの強くないの。って、強いんです。前相撲から負けなしで、令和十年三月場所で新入幕千秋楽。解説はおなじみ舞の海さん。
―――
舞の海さん「すごいですねえ。河童ですからねえ。また鶯色のまわしがきれいですよねえ」
アナウンサー「河童川の得意は左四つからの右の上手投げ。これは強力です」
舞「今日の相手の横綱・大の里は右四つでケンカ四つですが、大の里は左四つになっても強いです。また押しもできます」
アナ「そうですよね。目が離せません」
舞「ひょっとしてですよ。ひょっとしてなんですけど、河童川のまわしが外れるようなことは……」
アナ「NHKでは放送できません」
舞「でも河童だからいいのでは?」
アナ「いけません。北の富士さんに解説かわってもらいますよ」
舞「お互いに十四勝同士ですからね。大の里は河童川のまわしをはずしにかかるのでは?」
アナ「おやめください」
―――
まあ、真面目な話、大の里の圧勝で寄り切り。大の里は大きな目玉をくりくりさせながら優勝杯をいただく。
その頃の角界では横綱が大の里、尊富士、朝乃山の三人で、大関がいないという。大関になった力士は何故か陥落してしまうという。関脇・小結も勝ったり負けたり。どうしても大関が出ない。
八角理事長は大関を作りたくて仕方ない。舞の海さんを呼び寄せまして。
―――
八角理事長「舞の海くん、ここはひとつ三役で三場所三十三勝という基準を取っ払いたいと思う」
舞「私もそう思います、理事長」
八角「ついては来場所、令和十年五月場所だが、河童川が全勝優勝したら大関にしたい。舞の海くんは解説でそのように世間に訴えてくれ」
舞「かしこかしこまりましたかしこ」
八角「なんだそれは」
舞「ハイキングウォーキングです」
八角「なに?」
舞「なんでもございません」
―――
さあ、令和十年五月場所千秋楽となります。河童川、大活躍。初日から十四連勝。地元の岩手県遠野市からは大勢の河童応援団がやってまいります。
また、海外からも注目され、「アンビリーバボー」と。モンゴルからは朝青龍がやってきて、「モンゴルにも河童はいないか」と。元白鵬の年寄・宮城野は自分の置かれた立場をよく理解しておらず、モンゴルに「川口浩探検隊」を送る。
舞の海さんは世間に対し「河童川全勝優勝で大関昇進」をアピール。
さあ日本中、いや、世界中が見守る大決戦は「横綱尊富士対東前頭六枚目河童川」。ともに十四勝。
―――
川之助「俺は川太郎と相撲を取り合った仲の川之助だ。川太郎は絶対に尊富士に勝って優勝し大関となる!」
川美(川太郎の妻)「あなた!がんばって!私のおなかの赤ちゃんも応援してるわ」
呼出の次郎「ひがーしー、たけるーふじー、たけるーふじー。にーしー、かっぱーがーわー、かっぱーがーわー」
場内アナウンス「東方、横綱、尊富士。青森県五所川原市出身、伊勢ケ濱部屋。西方、河童川。岩手県遠野市出身、二所ノ関部屋」
アナ「舞の海さん、この一番、どうなると思われますか」
舞「そりゃあ、河童川が勝つでしょう。勝てば大関ですから」
アナ「前頭六枚目からいきなり大関ですか」
舞「河童川は小兵ですが力が強く業師でもありますからね」
アナ「さあ時間です」
木村庄之助「はーっけよい!のこったのこった!」
アナ「おっと河童川、肩透かしにいったが決まらず。しかし攻める。左前みつを取り寄る!寄る!寄り切った!河童川、初優勝!」
―――
両国国技館はやんややんやの大喝采。ところがこのあと、週刊文春で以下のような記事がすっぱぬかれまして……。
「河童川、未成年に飲酒強制」
なんでも風呂に入ってる未成年の力士のところに乗り込み黄桜の一升瓶を無理やりラッパ呑みさせたんだとか。
どっかで聞いたことある話ですよね。そう。令和六年五月場所前の大の里。
―――
八角「二所ノ関くん、困ったことになったぞ」
二所「八角理事長、私の監督不行き届きです。誠に申し訳ございません」
八角「おまけにキャバクラばかり行ってるらしいじゃないか。コロナは5類になったからいいけど、朝乃山みたいになったら大変だぞ」
二所「なんでも江戸川区西葛西のテゾーロというキャバクラのえみちゃんというホステスに入れあげているそうです」
八角「この落語の作者と同じじゃないか。私は三十一日の臨時理事会の招集を了承してしまったぞ」
二所「申し訳ございません」
八角「しかし大関は喉から手が出るほど欲しい。何かいい知恵はないか」
二所「大丈夫です、理事長。あいつは河童です。水に流してしまえばいいのです」
……今回も、おあとがよろしいようで。
■
ちなみにこの文字数(A4/10.5級/4枚)で『山波』二段組4頁になります。電子の場合は関係ないのですが、ひょっと単行本にしようとなったときのため。
あと『オカマの開腹手術』と『ナマズの地震予知』を急がねばなりません。『西葛西のヌシ』はブログでやりましたが、これも創作落語化する必要があります。これは馬藏が西葛西に住む長兄の龍蔵から聞いた話をもとに創作したという形を取ります。
■
「写真があったほうがおもしろい」と書いたら「ボンヌ」のあいちゃんが「そうですね。あいもブログやってるけど必ず写真のっけます。文章力がないからだけどww」と。「写真は重要。閲覧数が一気に上がる」と。
写真は喫茶&パブ「みまつ」。腰の曲がったおばああさんがひとりでやってる。今もやってるかは不明。場所は葛飾区新小岩なんだけど新小岩駅から自転車で5分ぐらい走らねばなりません。ほとんど江戸川区。珈琲を頼むとお菓子がいっぱい出てくる。西葛西「ミール」か曳舟「ジロー」か。当然に煙草フリー。葛飾区も江戸川区と同じで外国人が多く、特に新小岩は外国人だらけ。当時はフィリピン人と新小岩のサイゼリヤで打ち合わせることが多かった。
領収書はカラでくれる。「10万とでも20万とでも好きに書いて」とかって。
壁には大相撲の番付表。なんちゃらゆう相撲取りのタニマチをやってた。夜はパブをやってたんだけどお客さんがどんどん死んじゃってやらなくなったとか。それでも人気店で有名政治家を紹介されたことがあります。
さて、仕事にかかります。今日は午後8時に船堀の「クリシュナパレス」でマリカのボーラ社長の友だちのインド人が独立して会社作りたいという話。前にもあった。コロナの前。結局、連絡取れなくなった。バスで船堀まで行き食事。私のフェイスブックにいつも「いいね」をくれるティワリ氏に会う。子どもを小学校に入れる手続きもみんな無償でやった。そんなもんで儲けようと思ってないから。
ボーラ社長とインド人はどうせ10時まで来ない。ダイエーの100円珈琲を飲みに行く。「クリシュナパレス」は「ムナル」と違い日本人客が少ないからネパール・インド大宴会となる。無料法律相談会。その様子をガラケーで写真とったけどどっかいった。そしてボーラ社長が来てやっと仕事の話になる。ボーラ社長は焼酎が大好きですぐ酔っ払う。インド人とひたすらヒンディー語でしゃべってる。めんどくさいので煙草を吸いに行く。午後10時閉店なんだけど社長がいるからコックは帰れない。深夜1時まで。なんかよくわからないまかない料理が次々と運ばれる。
そしてボーラ社長は歩いて奥さんの待つ家に帰るんだけど、私のほっぺをぺちぺちと叩き、
「せんせさん元気でね」
そして西葛西まで歩いて帰る。なんとかしろ。
https://www.youtube.com/watch?v=1U_63YpJwDw
スティービーワンダーの後楽園ホールコンサートの動画を見ていて強く思うのは人はみなハンディキャップをもって生きているということです。ハンディの大きい人ほど人を感動させることができる。
by リス太郎 (2024-06-15 17:11)
人はもっと自由であるべきである。破天荒であれ。内なる岡本太郎が言う。
by リス太郎 (2024-06-15 17:13)
今日は土佐ノ海の浴衣でいきます。洋服はしんどい。和服の方が楽。スマホなんかいらない。
by リス太郎 (2024-06-15 17:14)
ただし足袋を履いていく。帰りは船堀から西葛西という長距離。もちろん浴衣にサンダルや革靴というのもおしゃれである。
by リス太郎 (2024-06-15 17:18)
坂本龍馬は袴に革靴だった。このほうが攘夷派に狙われても逃げやすい。
by リス太郎 (2024-06-15 17:19)
龍馬のような剣豪がなんで逃げてばかりいたのか。司馬遼太郎をお読みください。
by リス太郎 (2024-06-15 17:20)
江戸時代以前の日本人は遠出する場合は草鞋を履くんです。雪駄というのは歩きにくいし雪駄ずれを起こす。特に現代のポリウレタンの安物の鼻緒というのは足に負担がかかる。江戸時代から明治にかけての日本の主要産業のひとつは綿花であり伸縮性のある綿の鼻緒が安く買えたのです。ニチメンやトーメンなど「メン」とつく総合商社がかつてあったことはそういうことです。
by リス太郎 (2024-06-15 17:25)
ここちゃんからラインあり。メンタルやられて店に出られないと。彼女は躁鬱の気があるのですが医者に行くことはすすめていません。本来であれば「俺が朝までいてあげるから店においで」と言うべきなのですが仕事があります。コンビニへ行けと言いました。お金も食欲もないと。棚を見てるだけで気晴らしになる。徘徊。と言ったら「笑笑」と。ダメ押しにスティービーワンダーのパートタイムラバー後楽園ホールをつけました。
by リス太郎 (2024-06-15 18:35)
昨日(2024年6月14日)は1993年から続いてきた悪名高き技能実習制度がなくなった日です。しかし「育成就労」と名を変えて生き残ります。「技能実習」と「育成就労」は別物ですが、重大な人権侵害であり同じ轍を踏むことは火を見るより明らかです。
by リス太郎 (2024-06-15 18:38)
妻がやっとポストに行きました。俺は目が悪いから宛名が書けないの知ってるくせに5時まで遊んで帰って来てベッドで遊んでる。「あと5分やで」というとやっと起きてきて。「間に合わんかったら明日でええ」ゆうてんのに「間に合わんかったら死んだらええんやな」って。ほんまかわいげない女。
by リス太郎 (2024-06-15 19:01)
S TANDOORI レストラン
2024年5月22日
関係者各位
Mr. xxxx Bahadur xxxx は、当店でインドカレー及びタンドーリ調理師として2013年11月5日から現在まで勤務していることを証明する。
上記は証明書の簡訳です。
2024年6月15日 申請取次行政書士 篠原 拓生
by リス太郎 (2024-06-15 19:03)
人 物 金
by リス太郎 (2024-06-15 19:17)
次 申請理由書 ポイントはなんや
by リス太郎 (2024-06-15 19:18)
できました。浴衣に着替えます。まあ8時に行ったところで10時にしか来ないのですが、そういうところ日本人だなあと苦笑してしまいます。
by リス太郎 (2024-06-15 19:34)
おはようございます。
https://mainichi.jp/articles/20240613/k00/00m/040/381000c
by リス太郎 (2024-06-16 10:29)