SSブログ

小学生にも英語教育をすべきだと言うものの

11月5日(日)の晩、NHK教育テレビで小学校での英語教育に関する番組を見た。
私は小学生の早い時期から義務教育として英語を教えることに賛成である。
しかしこんな足並みの揃わない不平等なことをするのなら、英語教育は従来どおりでいいと思う。

番組では総合学習の一貫として、英語教育に力を入れるいくつかの小学校を取り上げていた。
画一性を廃し、学校独自の教育を施すのは、たとえ公立校でもかまわないと思う。
しかしまだ必修化されていないのに、英語ばかりに熱を入れる公立小学校があっていいものだろうか。

小学生への英語教育が必修化されて10年になる韓国の状況についてもレポートされており、興味深かった。
英語村とかいうテーマパークのようなものが、全国に10ヶ所近くあるそうだ。
低料金で利用でき、宿泊コースとかもある。
何をするところかと言うと、要するに英語圏への外国旅行の疑似体験である。
英語村では英語しか通じない。
パスポートを渡されるというのがかわいらしくてよかった。
英語村を作ることを選挙の公約にしたりする候補者も多いようだ。

しかし韓国でも問題は多い。
現在、小学3年生から英語教育を受けるらしいが、学年が上がるにつれ興味が薄れ、ついていけなくなる子が非常に多い。
現在、英語教育の開始を1年生から始めることにより格差を縮めようとの対策が検討されている。

また、韓国のある英語教育の研究者は、小学校からの英語教育に強く反対していた。
母国語での表現力や、情緒をはぐくむ教育がおろそかになっていると指摘する。

英語教育に力を入れる小学校に通う子の親御さんの意見が手紙で紹介された。
なかにはこんな意見もあった。

「国は各学校独自の英語教育を認めて欲しい」

この親御さんのお子さんが通うのが公立だか私立だか私は知らない。
たとえ公立校だとしても独自性と主体性を持った教育は大事であり、尊重されるべきと思う。
しかし私たちの税金で運営されている公立の、しかもまだ英語が必修化されていない小学校において、英語を重点的に教えることに問題はありはしないか。
英語は受験その他において重要視される基幹教科である。
私立校も含めた公教育というものは、すべての子どもたちに同じ水準の教育を施す責務があると私は思う。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(1) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 2

めぎ

自分の子どもにどういう英語ができるようになって欲しいか、考えることがまず大切でしょうね。「マウス好き?」「うん、好き」みたいなレヴェルでいいのか、例えば子どもの英語教育の是非を議論するくらいになって欲しいのか。前者なら、早いうちに恥ずかしがらずに英語をしゃべる訓練をするのは大切だろうし、後者なら国語教育をしっかりした上じゃないととても無理。関係代名詞を入れた英語を話せるレヴェルは、小学校じゃ無理ですからね。中学校以上なら、国語力がついているから、英語の抽象的な語彙も頭に入るし、長い文章を組み立てて話す内容も考えられるはず。
その辺りまで考えて学校教育の英語の計画を立てないと、なんだか中途半端になりそうな気がします。
ドイツでは小学校3年生から英語がありますが、教科書もなく、ほぼ耳と口だけの練習のようです。4年生で小学校は卒業、5年生から中学校やら実家学校やらギムナジウムやらに分かれ、それから初めて英語の読み書きが入ります。最初は、ドイツ語の綴りと発音に引っ張られて、Niceをニーチェなんて読んだりしてるそうですよ。
by めぎ (2006-11-13 02:57) 

リス太郎

なるほどね。そこが私もよくわからないんですよ。日本では「実用英語論」と「教養英語論」とがあって激しく対立してます。「実用」はともかく「教養」の言ってること(渡辺昇一)は全く同意できないんだけど・・・。とは言え子ども英会話学校みたいなことでいいのかとも思うし。いずれにせよみんなが同じレベルの教育を受けられなきゃおかしいと思います。教育特区なんか作るのがそもそもの間違いやね。
by リス太郎 (2006-11-13 07:02) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1