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サダム・フセインが神となる日

去年2006年12月30日、サダム・フセイン元大統領の死刑が執行された。
イスラム教の祝日「犠牲祭」初日がわざわざ選ばれた。
私はいかなる死刑執行も正当化できないとする立場である。
独裁者を擁護するつもりはないが、人類の子孫に対しまたひとつ大きな禍根を残した事実を強調しておきたい。

9.11というアメリカによる自作自演の芝居は幕の引きどころを見失い迷走している。
アルカーイダを率いるオサマ・ビンラディンを捕まえるため、アフガニスタンのタリバン政権を崩壊させた。
ビンラディンは未だ捕まっていないが、アメリカにとってそんなことはどうでもいいのである。
アメリカの目的はビンラディンを捕まえることではなく、「戦争を続けること」であるからだ。

そして当初からアメリカの狙いはイラクのフセイン政権を打倒することであった。
誰がどう考えてもありえないのだが、国際テロ組織の背後にフセインがいるとブッシュは言った。
ありもしない大量破壊兵器を隠し持っているとの理由からイラク戦争となった。
アメリカが欲していたのは世界第3位の埋蔵量を誇る原油であった。

何度も言うが、アメリカがこの戦争を続けてこれたのは日本政府が米ドルや米国債を買っているからである。
我々の血税がイラクで人殺しに使われているのである。

サダム・フセインは独裁者である。
シーア派やクルド人の大量虐殺はときに化学兵器をも使用した。
それは決して許されることではない。

しかし偉大な指導者であったことも事実である。
単に少数派であるスンニ派の利益を代表していただけではない。
イラクという国家をまとめ上げる上で必要悪であった。
日本の戦国時代における信長と似ていなくもない。

西側諸国が介入すればするほど混迷する中東情勢。
正月を迎えるたびいつも思う。
我々の住むこの世界はちっともおめでたくなんかない。

サダム・フセインの遺体は出生地のアウジャ村に埋葬された。
謹んで哀悼の意を表したい。

ふるさとに 埋葬されし 独裁者
神となる日は 遠からじかな

新たな対立の火種である。


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コメント 2

NO NAME

ブッシュ政権下でのイラク人虐待だろうが、フセイン政権下のクルド人虐殺だろうが、ジェノサイドを必要悪と肯定することのほうがおぞましい
by NO NAME (2007-01-11 01:02) 

リス太郎

NO NAME さんへ
もちろんそういう考え方も理解している。
by リス太郎 (2007-01-11 06:46) 

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