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教育バウチャー制に断固反対する

なんでもかんでも市場競争の原理を持ち込めばいいと思っているアホな人たちがいる。
アホな人たちはアホな首相のまわりをうろちょろしているのだが、ろくでもない制度を導入しようとしている。
「教育バウチャー制」という言葉、最近、耳にすることが多くなった。
とんでもないにもほどがあるので一応取り上げておきたい。

バウチャーとは引換券のこと。
クーポンと言い換えてもいい。
教育バウチャー制とは、自治体が家庭に教育引換券を配り、親は子どもを通わせたい学校に引換券を提出する。
学校は集めた引換券の数に応じて自治体から予算を受け取るというもの。

学校を魅力あるものにし、生徒を多く獲得した学校には、予算がたくさんあてがわれるわけ。
競争原理が働き、自助努力により学校教育が活性化するというのだが・・・

ちょっとおつむをひねればどんな問題が起きるかわかるはずだ。
わからないのはアホな首相とそのまわりをうろちょろするアホな人たちだけである。
少なくとも私の記事を読んでくれている方にはいちいち説明するまでもないと思う。
でも念のため少しだけ書く。

まず生徒を集められない学校はつぶれてしまうという問題。
つぶれなくとも取り残された学校は教育環境がさらに悪化するであろう。
それが競争原理なのだが、学校運営と企業経営を同じ次元で論じていいものか。

次に子どもの保護者の負担の問題。
子どもをいい学校に通わすために情報収集に走り回らねばならない。
金もかかれば時間もいる。
恵まれた家庭環境の子どもはいいが、そうでない子どもはどうなる。

他にも状況によっていくつかの問題が生じることが予測できる。
いずれにせよ結局は恵まれない子どもたちが一番かわいそうなのではないか。

現在、この制度を導入しているのはアメリカのウィスコンシン州ミルウォーキー市、オハイオ州クリーブランド市、フロリダ州の3つだけだという。
人種差別や貧困の改善のため導入したもので、格差是正にその目的がある。
イギリスではバウチャーは使わないものの、学校を選択し、生徒数に応じて予算を配分する制度がある。
やはり格差の問題が悪循環を生んでいて、見直しが論議されているようだ。

さて、そんな本や雑誌で読んだことばかり書いていてもつまらない。
自分の意見を述べたいと思う。
子どもは家の近くの学校に通うのが一番幸せじゃないかと思う。
学校が終わったらランドセルを放り出して遊びに行く。
日が暮れるまで遊んでくたくたになってごはん食べて寝る。
それでいいんじゃないか。

バウチャー制導入には、いじめなどに悩む子どもが学区以外の学校を選択できるという利点があるようだ。
いじめが発覚し、どうにも解決できない場合には柔軟に対応すればいいであろう。
しかし最初から自由に選べますよとした場合、選んだ側の責任として押し付けられる危険性がある。
学校側はすべて選んだ側に責任をなすりつける可能性がある。
これはいじめの問題に限らずだ。

友達をいじめて憂さを晴らす子どもも、それを見て見ぬふりをする子どもも、私たち大人の背中を見ているのである。
大人が子どもに対して正義を教えないから、弱いものいじめをとがめる術も知らない子どもが育つのだと思う。

子どもたちが遠路はるばるあちこちの学校へ通うようになったらどうなるか。
地域社会のつながりはますます希薄になり、子どもたちの心はますます荒んでいくのではないか。
子どもたちがかわいそうだ。

今の教育をどうすればいいか。
安倍晋三へ。
お前は何もするな。
それがお前に出来る最善である。


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コメント 9

リス太郎

チビ姫さん、ありがとう。
by リス太郎 (2006-11-11 00:43) 

なつみ

私も断固として反対です。
偉い人の考えていることはよくわかりません。
少し考えればおかしいって分かるであろうに・・・。
実際に現場で働いてみると苦労がわかると思います。
by なつみ (2006-11-12 14:52) 

リス太郎

なつみさん、はじめまして。コメントとナイス、ありがとうございます。
学校の先生をなさっているんですよね。毎日ご苦労さまです。
学校特区校の導入により生徒集めなど現場の教職員の負担増が指摘されています。今朝の新聞(12日、日経社会面)では教職員のストレスの度合いが他の職種に比べ著しく高いという心配な調査結果が報告されています。男性教職員の抑うつ感が強いと感じる割合は標準値の1.8倍、女性教職員が仕事の負担量が多いと感じる割合はなんと4.6倍。学校の先生がこんなストレスにさらされた状態で人間味のある教育など無理なように思います。バウチャー制導入はこういった教師の状況をさらに悪化させることになります。断固阻止すべきでしょう。
by リス太郎 (2006-11-13 01:09) 

めぎ

こういう話を読むと、少子化が進むのも納得ですね。子供を産みたいと思う環境じゃないもの。生まれた子供がかわいそう、こんなところで生きていかなくちゃならないなんて。それに、親になった方も大変すぎる。
by めぎ (2006-11-13 01:32) 

リス太郎

安倍晋三はその愚著で、同棲・離婚・再婚・母子家庭の人たちに対し、許すまじ差別発言をしています(216-217ページ)。いみじくも一国のリーダーがこういう考え方ですから、環境がよくなることなど期待できません。
by リス太郎 (2006-11-13 02:02) 

めぎ

あれ?それじゃ前の総理に失礼じゃないですか?どうして後継者になれたのかなあ・・・
by めぎ (2006-11-13 03:01) 

リス太郎

アメリカが安倍にしろと言ったからですよ♪
アメリカが イラクへ行けと 言ったから
12月26日は サマワ記念日
by リス太郎 (2006-11-13 07:15) 

めぎ

こんな替え歌ができちゃうくらい、もとの歌は知名度が高いってことですね・・・
by めぎ (2006-11-14 07:20) 

リス太郎

でももう知らない人が多いんじゃないかな。
by リス太郎 (2006-11-14 08:18) 

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