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全国学力テストで流出する個人情報

4月24日(火)、文部科学省の全国学力テストが43年ぶりに復活した。
小学6年生と中学3年生を対象に、国語と算数(数学)のテストを実施した。
参加したのは全国の小・中学校の約99%。
公立では全国調査に反対する愛知県犬山市の14校が不参加。
私立学校の参加は約6割だった。
このニュースをどのように受け取られただろうか。
新聞やテレビでは見えてこない問題点についてまとめてみたい。

そもそもこんなテストを強制する権利が文部科学省にあるのかという疑問が私の場合は強い。
他にもさまざまな問題点があって、反対する立場の人びとにも温度差がある。
私の場合、国が音頭をとって全員に学力テストをすること自体が問題だと考える。
試験問題の内容がどうとか全く興味がない。

日本の子どもたちの学力を診断し、学力低下に歯止めをかけるという。
国際学力調査の成績を気にしているようだが、本物の教育を志す教師や子どもたちには迷惑千万である。
また私にはそれが本当の目的だとは到底思えない。
なぜなら学力を測るだけなら抽出テストで十分だからだ。
そんなものに77億円も使わずに、戦後補償をちゃんとやれ。

私は以前、教育バウチャー制の問題点を記事にした。
今回のテストは教育バウチャー制をも念頭に置いていると考えられる。
テストの結果は都道府県レベルでしか公表しないというが。
そんなものどこからでも簡単に流出する。

採点と集計を委託されるベネッセとNTTデータ。
個人情報が絶対に流出しないという自信があるか。
それは無意味な競争を激化させ、数字偏重の魂のない教育へとつながる。
教育は百年の大計という。
安倍や伊吹は意味をわかって言っているのか。
社会だけでなく教育にも格差を持ち込みたいらしい。

このテストでは、「朝食を毎日食べているか」や、「週に何日塾に通っているか」などの家庭状況に立ち入ったアンケートまで用意された。
そういった情報もベネッセやNTTデータに渡るのである。

小森陽一東京大学教授と佐藤学日本教育学会会長ら8人は、子どもの個人情報を企業に委託することに反対するアピールを発表した。
序列化は学力向上につながらない、個人を特定できる調査を受験産業にゆだねることは個人情報保護法に違反する可能性がある、としている。
堀尾輝久元日本教育学会会長は、「子どもの『学力総背番号制』になり競争を激化する」と指摘する。

4月16日の毎日新聞では、文部科学省学力調査室長の高口努氏、東京私立中学高校協会会長の近藤彰郎氏の意見をそれぞれ掲載し、読者に賛否を問うた。
近藤氏は「9月まで結果の出ないテストでは指導に活かせない」としている。
しごくもっともな意見である。

他にも週刊現代など週刊誌や、大手新聞各紙、地方紙、業界紙などで、盛んにこの問題は批判された。
しかしテストが実施され、新聞を開くとどうだろう。
朝日新聞は社説で問題点を指摘しているものの、記事自体はとぼけている。
苅谷剛彦・東京大学大学院教授(教育社会学)が批判的コメントを寄せているぐらいだ。

朝日でこの体たらくだから読売や産経は推して知るべしである。
馬鹿らしいのでチェックしていない。
日本経済新聞にいたっては、「ふざけるな」と言いたい。
誰が書いた記事か知らないが、ピントのずれまくること甚だしい。
「うちは経済紙なんで」では通らない。
もう少し勉強しろ。

全国で唯一不参加を表明し実行した愛知県犬山市教育委員会。
犬山市はなぜ参加しなかったのか。
犬山市はどういった教育を実践しているのか。
それを知っていただきたく自社の本で恐縮だが紹介したい。
教育関係者必読である。

『全国学力テスト、参加しません。』   犬山市教育委員会の選択
犬山市教育委員会 編   定価 1,260円   明石書店 発行


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めぎ

43年前に廃止された経緯を知りたいです。
約半世紀後、どうして復活するのか、それをもう少し理解するためにも、どうして当時無くなったのか、知りたいです。
そのくらい、自分で調べるべきなのかもしれないけれど。
日本のニュースを見たら載ってるのかも知れないけれど。
すみません、横着で。

それにしても私が一番感じたのは、小6と中3全員にテストできちゃうことの凄さ。日本って凄い国だなあ。つくづく。
ドイツでは、小学校が4年までで、そのあとは将来の進路によって進む学校が違う。
したがって、6年生(小6に相当)と9年生(中3に相当)の学力なんて、進んだ学校によって全く違う。
将来大学に進学する人たちが行くギムナジウムなどと、将来はパン屋になろうとかオフィスの秘書になりたいとか、電気工事をしたいとか、大工さんになりたいなどといった人が進む学校とでは、教える内容が全く違うのだ。
だから、全国で対象学年全員に学力テストをする意味など、全く無い。

また、ドイツでは州ごとに教育も任されているので、州を越えて全国でテスト・・・あり得ない。
ドイツには受験産業が無いから、個人情報が受験産業に流れる云々の問題も起こらない。

このテスト、受験産業に大っぴらに情報渡して、日本をもっと受験過熱状態にしていきましょうって感じにしか見えないんですけど・・・その二つの会社、今の政治家と相当繋がりあるんでしょうね。その裏には、もしや先日のどこかのお寺か何かが・・・?
なんて、いろいろ想像しちゃいますわ。
by めぎ (2007-05-01 00:48) 

リス太郎

めぎさんへ
そうなんです。かなり危ないですよ、この国。
ご質問にお答えします。東海道新幹線が開通した1964年を最後に、全国学力テストは打ち切られました。原因はやはり学校や自治体間の競争の過熱、序列化への批判です。復活のきっかけは2004年、中山成彬文科相(当時)の発案です。復活さす理由は本文中にもあるように学力診断と低下防止です。国際学力テストで成績落ちてるのを気にしてるようです。ただ私は本当の理由はバウチャー制導入などにあると見てますけどね。
ドイツはそうなんですよね。私もちょっと勉強して知ってます。子どもの将来を考えれば教育は画一的ではいけないはず。それは習熟度別とは全く違う。日本ではフィンランドの教育が注目されてましてね。「フィンランド」と書名に入った教育書は売れるんです。私はフィンランドに関係のない本でも「フィンランド」って入れろって言うんですけどね。もちろんジョークですが。いろんな出版社がフィンランドの個性を重視した教育を紹介、研究した本を出してるんだけど・・・文部科学省の方針を見るかぎり全く活かされてないのね。困ったもんや。
by リス太郎 (2007-05-01 02:18) 

リス太郎

kou さんへ
いらっしゃいませ。ナイス有難うございます。
by リス太郎 (2007-05-01 02:21) 

めぎ

そうだったんですか。説明、ありがとうございました。
フィンランドもの、売れてるのか・・・それじゃ私もちょっくらフィンランドに行って、ブログネタを・・・
by めぎ (2007-05-01 02:45) 

リス太郎

めぎさんへ
そうですね。フィンランドの学校を取材してくださいよ。個性重視なのは生徒に対してだけじゃない。現場の教師にも権限を持たせてるからみんな自由に工夫する。日本のように縦割りじゃない。勉強したくない子は編み物しててもかまへんねん。自発的に授業へ参加するのを待つ。そして国語教育に力を入れてる。読解力強化が理数系科目にも役立つと考えるらしい。景色のいいとこらしいから写真をいっぱいお願いします。
by リス太郎 (2007-05-01 02:55) 

めぎ

ああ、それはドイツも同じですよ。別にパン食べてても葡萄つまんでてもOK。現場の教師が好きなように授業します。何の教科書を使っても、教科書無しで資料ばっかり見せながら授業しても、世間で出版されている小説でドイツ語の授業しても、なんでもOK。
でも、日本語を教える現場となると、そうはいかない。文部科学省認定の教科書を使うほうが学校としても格が上だし、さらに文部科学省の援助を受けているほうがもっと上、というヒエラルキーまであります。大学でも、その研究所としてこの教科書を使ってこういう風に教える、と決まってて、各教師の自由はありません。これって、日本文化なんでしょう。日本語を覚えるのなら、この日本文化も体験してもらわないと、という感じです。
フィンランドには今はちょっと行けそうに無いなあ。先立つものが無いのよ。一年後まで予定埋まってるし。ううう。
by めぎ (2007-05-01 03:20) 

リス太郎

めぎさんへ
しっかり貯金してドイツ人さんといっしょに行ってきてください。
しかしテポドンの射程距離内にいろんな国があって楽しいよね♪
by リス太郎 (2007-05-01 04:40) 

リス太郎

mompeli さんへ
ナイス有難うございます。
by リス太郎 (2007-05-02 05:30) 

五十嵐

 今、全国の高校ではベネッセの進研模試を学内で実施しているところが急増しています。この模試では学力テストと同時に全国学力調査と瓜二つの学力状況調査が実施されています。「両親の夫婦仲は良いですか」「祖父母と同居していますか(父方か母方かまで聞いています)」など家族のプライバシーに関する項目が目白押しです。(ベネッセは老人介護事業も手がけているからです)学校側は利用目的を明らかにするどころか家族の同意を取ることも無く、それらの情報を生徒の実名入りでベネッセに提供しています。この行為は明らかに個人情報保護法違反です。当然のことながら学校側にはテストを実施することにより一件当たり受験料の一割程度が手数料として支払われており、そのお金は秘密資金としてプールされ(帳簿に載せられないからです)先生方に、時間外の部活の指導料、模試の監督料などの名目で配分されています。模試の回数、参加者を増やせば増やすほど学校の「臨時収入」が増えていくしくみがしっかり出来上がっています。愛知県のある学校では三年生の4月から年末にかけて10回もの民間業者模試を実施している学校もあります。より詳しく知りたい方はブログサイト「学テ110番」を参照してください。
by 五十嵐 (2007-05-03 21:20) 

五十嵐

 ブログサイトは「学テ110番」ではなく「全国学力テスト110番」でした。
by 五十嵐 (2007-05-03 21:33) 

リス太郎

五十嵐さんへ
情報有難うございます。「110番」はまたのぞいてみます。これからもコメントをよろしくお願いします。
by リス太郎 (2007-05-03 23:44) 

五十嵐

 先日訪問した愛知県立津島高校のY教頭の対応はひどいものでした。(情報公開条例に基づく文書開示をするということで名古屋から出かけたのです)*「 」は私の質問( )は学校側の答え?です。「業者からもらった手数料は誰に渡したのか」(テストの監督をした先生たちだ。*前日の電話では時間外の部活指導をしている先生に配分したとの答えでした。県教委と口裏あわせをしたのです)「誰が幾ら受け取ったのか」(あなたに言う必要は無い)「ベネッセの模試は地元の書店を通じて行っているとの事だが書店名を教えてほしい」(教えられない)「どうしてか」(あなたに理由を言う必要は無い。時間が無いのでこれまでとしたい*この間わずか10分間) 余程表に出せない事情があるようです。こんな状態を放置したら多くの公立高校は早晩実質大手受験業者のチェーン校になってしまいます。今回の問題に関しては一部の学校だけを問題にするわけにはいかないという思いから県下150校を超えるすべての公立高校を訪問し直談判することに決めました。(民間業者との不明朗な関係を絶つこと。すでに提供してしまった個人情報は業者に返却、消去させることを学校として責任を持って実行することを要求していきます) 愛知県公立高校お遍路の旅が始まります。
by 五十嵐 (2007-05-04 22:55) 

リス太郎

五十嵐さんへ
やっぱり業者と癒着してるんですね。思ったとおりだ。口封じの暴力とかに気をつけて頑張ってください。できればこまめに報告がほしいです。五十嵐さんのコメントを記事で取り上げたいと思います。有難うございました。
by リス太郎 (2007-05-05 07:23) 

五十嵐

 今日聞いた津島東高校の二年生バスケット部の生徒の生活ぶりはすさまじいものでした。まず朝は0時限の補習を受けるため午前5時台の電車で登校します。そして授業は補習を含め8時限まで続きます。それから部活の練習がはじまり日課となった3点シュート100本を成功させて帰宅するのは夜10時過ぎ。そして深夜まで宿題。こうした生活が毎日のように繰り返されます。彼はまだ2年生にもかかわらず過酷な学校生活に疲労困憊の様子だそうです。まさに高校生活は競争社会日本で生き残るための予行演習の場となっています。校内で民間業者の模擬試験など即刻やめるべきとの主張に対し、県教委の担当者は、先生方が勝手にやっているのではなく、一義的にはあくまで子どもの志望大学進学を願う保護者の強い要請に基づくものであるとして学校側の対応をを擁護しています。(学校で補習を実施してくれれば塾に行かなくてすむし模擬試験も割安で受験できるということも付け加えました) しかし高等学校は生徒の大学進学の便宜を図るために設置されているのではありません。学校教育法は高校教育の目標として「国家及び社会の有為な形成者として必要な資質を養うこと、社会について、広くて深い理解と健全な批判力を養い、個性の確立に努めること」を掲げると共に、生徒の進路に関しては「社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき,個性に応じて将来の進路を決定させ」と子どもの自覚に基づく自己決定権を明確に規定しています。(第42条) したがって多くの高校が生徒の意思など全く無視して半ば強制的に模擬試験を受けさせるなどということは明白な法令違反にほかなりません。財政面から見ても、そもそも高校生の1人当たり運営コスト(年間100万円程度)の8割以上は保護者ではなく国民が負担しているのであり、上記法律の趣旨を生徒、保護者にきちんと説明することこそが教育委員会、学校の責務だと思います。
by 五十嵐 (2007-05-05 21:51) 

リス太郎

五十嵐さんへ
県教委の担当者がおっしゃることは根本的におかしいですね。親の志望だろうが何だろうが国に強制する権利はない。そして五十嵐さんがおっしゃるように学校教育法に違反している。
五十嵐さんのコメントは改めて新しい記事に編集しなおし発表したいと思います。より多くの方に読んでほしいので。よろしいでしょうか?
by リス太郎 (2007-05-06 10:41) 

五十嵐

 リス太郎さんへ。私のコメントに注目していただき有難うございます。ところで明石書店の「全国学力テスト 参加しません」という本については、皆さんに知っておいてもらいたい事情が有ります。犬山では今年行われた市長選挙で学力テスト推進派の田中氏が当選しました。私は当選直後、市長に電話をかけ、教育委員会に圧力をかけることは越権行為なのでやらないよう要請しました。彼とはかれこれ30分ほど話をしたのですが今でも印象に残っているのが「教育委員会の名前でこんな本を出版するなんてとんでもない。これだけはやめさせたい」という言葉です。しかし犬山市教育委員会は度重なる市長の「圧力」に屈することはありませんでした。そして市長も出席した教育委員会の会議で教育委員5人全員が学テに対する意見表明を行った後、全員一致で学テ不参加を決議したのです。市長は腹いせに教育委員会が毎年開催している教育シンポジウムの予算を削ってしました。(180万円)意見があるならシンポジウムの場で議論すべきです。
by 五十嵐 (2007-05-06 20:43) 

五十嵐

 ベネッセが模擬試験と並行して実施した学習状況調査については、さすがにまずいと思ったのか、今日訪問した3校とも(津島北、五条、津島東)ベネッセの模試は実施していることを認めながら学習状況調査は行っていないと言い出しました。昨日県教委のS氏にこの問題をただしたとき、ひどくあわてていたので、何か対処してくれるのではとの淡い期待を持ったのが間違いでした。(事実の揉み消しを図ることで県と学校が意思統一してしまいました) それでもこれを機に学習状況調査だけでも中止になれば一歩前進と思いかけましたが、やはり甘すぎると反省しました。なぜなら今年からベネッセは自社のゼミ生(400万)に加え日本の小学生ほぼ全員の情報を入手できる手段を手に入れたのであり、高校で情報が取れなくなっても痛くもかゆくもないからです。それにしても高校に対するベネッセの浸透力は目を見張るものがあります。まだ尾張東部の一部の学校を調査しただけですが、この地域のほとんどすべての学校がベネッセと何らかのつながりを持っています。「進学校」で知られる五条高校では、学校の進路講習会でベネッセの担当者が保護者を相手に、それぞれの学年における心構え、学習方法、子どもの生活面での注意点などについて講演を行っています。一人の力は微力であるにしてもてこの「流れ」を変えるために何ができるのか、模索の日が続きます。
by 五十嵐 (2007-05-08 22:05) 

五十嵐

 先に紹介した五条高校では、模擬試験などの手数料を先生ではなく、進学後援会と称する保護者の任意団体(全員加入)が資金管理をしているとの事。恐らく同校が実施している「居残り学習」(夜8時まで)でサービス残業をしている先生の手当てにも配分されているに違いありません。(学校側が実態の公表を拒否しているので新たに情報公開を請求しました)。かつて先生の補習活動に対し、保護者の負担で謝礼金を出していたことが問題になったことを思い起こすと、業者からの手数料を新たな財源とし始めたというほか無く、問題がより深刻化したと言えます。これと似たような事を行政がもっと露骨に始めたのが新聞でも報道された福島県の川内村です。ここでは村が学校では無く公民館に小中学生を集め、公募で選考した民間業者に補習をさせています。予算は年間900万円(300万円は原発補助金)生徒の自己負担は月2千円ほどで8割以上を村が負担しています。きっかけは全県の学力テストで村の子どもたちの成績が悪かったからだそうです。業者の契約期間は1年、成績が上がらなかったら交代です。
五条高校でもそのうち業者の指導スタッフに講演だけでなく、受験指導に留まらす究極的には学校運営そのものを依頼し始めるかもしれません。(すでに多くの私学ではそうなっている学校が増えているそうです)
by 五十嵐 (2007-05-10 23:13) 

リス太郎

五十嵐さんへ
情報、有難うございます。これらのコメントは新たに記事としてまとめ、より多くの方がご覧いただけるようにします。市民の問題意識を高めることが必要と思うからです。明日から1週間、出張で不在にしますが、よろしければレポートをお続けください。
by リス太郎 (2007-05-11 00:26) 

五十嵐

 愛知県教育委員会に情報開示を求めていた件(校内で民間業者の模擬試験および各種資格試験を実施することによって得られた手数料収入とその使途が分かるもの)に関し15日付で不開示決定通知書が送られてきました。理由は「開示請求に係わる行政文書を作成又は取得していないため」と記されていました。お金を受け取ってっていることは認めながら記録が無いとはどういうことかと電話で問い合わせたところ「もらっているのは謝金なので手数料としては考えていないのでそのような文書は無いのです」との答え。あいた口がふさがらないとはこの事です。仕方が無いので次のように書き換えて再請求する事にしました。「県立高校が校内で実施した民間業者の模擬試験及び各種資格試験の実施内容が分かるもの」(実施した試験の名称、日時、受験者数、試験の監督をする事によって得られた謝金の額、監督した先生の氏名及びその先生が得た謝金の額) 漢検本部は試験を校内で実施した場合手数料として受験料の1割を学校に支払っていることを明らかにしています。(生徒から集めた受験料から学校の取り分を差し引いたものを振り込む方法を取っており、学校は振込みの控えを保管しているはずとの事です)。名古屋市教育委員会はいかなる名目であっても業者からの謝礼は受け取ってはならないとしているとの事です。(手数料に当たる部分は受験料を割り引くという形で処理しているとの事) 愛知県教委も言い逃れはやめて、業者との癒着を断ち切るべきです。
by 五十嵐 (2007-05-19 10:06) 

五十嵐

 愛知県岡崎市では今年2月、国語主任会の名で全国学力テストの事前指導の徹底を呼びかける文書が配られました(対象不明)。タイトルは「岡崎の子どもたちに読解力をつけるために」となっています。内容を見るとPISA型読解力の定義から始まり、その特徴と学校での取り組み例が簡単にまとめられています。問題なのはこの文書が「取扱注意」扱いになっていることです。岡崎では校長会名で「一切対策をしないように」との通達が出されていたからです。今回の全国学力調査は建前はテストではなく調査です。ですから事前対策をしたのでは調査にならないので「準備はいけない」ということになります。しかし現場では調査結果が教員評価の対処になるのですから、通達など守られるわけがありません。岡崎市教育委員会にこの件に関し問い合わせたところ、「調査した上で連絡する」との事でした。おそらく「文書は確かに存在したが、読んでもらえば分かるとおり通常の読解指導について述べたものであり学力調査の事前指導に関するものではありません、取扱注意としたのはそのような誤解を生じないようにとの配慮の結果です」とでも言うしかないでしょう。しかししそうだとすれば年度初めならともかく年度末の2月に出してどうするという事になります。いずれにしても現場を苦しめる事にしかならないこんな全国調査は中止する以外ありません。
by 五十嵐 (2007-05-21 12:43) 

五十嵐

留守録に岡崎市教育委員から返事が入っていました。文書の存在を認めた事、内容に関しては子供たちの学力の弱点に関して指導上の留意事項をのべただけのものである等予想通りでした。しかし取扱注意の文言についての説明にはあきれました。教育委員会の説明によるとこの「取扱注意」というのは、「文書」の「扱い」に注意せよという意味ではなく「注意してよく読むように」という意味だというのです。問題の文書を出したのは国語主任会です。世間で使われている意味とまったく違う言葉遣いをする国語主任に「国語」教育を任せておいてよいのでしょうか。
by 五十嵐 (2007-05-21 22:21) 

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