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中国・労働契約法成立が日系企業に突きつけるもの

6月29日、中国で労働契約法が成立した。 (2008年1月1日施行)
1年半以上かけて審議されたこの法案、日系企業もさんざん横やりを入れてきた。
最終的に法案成立へ大きく前進させたのは、山西省で起きた少年らの強制労働事件だった。
今、日本の会社で中国と、直接間接を問わず何の関係もない企業はほとんどないと思われる。
中国に生産拠点を置く主要な日系企業ではとっくに対策を急いでいる。
来年以降、日系企業が違法行為で訴えられるようなことがなければいいが。

日本経済新聞によると、労働契約法の骨子は以下のとおり。

●10年以上勤続するか、期限付き労働契約を2期連続で結んだ労働者は、終身雇用に切り替えなければならない。違反した場合、違反期間は2倍の月給を支払わなければならない。
●労働契約は雇用開始後1ヵ月以内に書面化しなければならない。
●労働条件など重要事項を変更する場合、労働組合か従業員代表と協議しなければならない。
●報酬の支払いに遅延・不足があった場合、労働者は現地の人民法院(裁判所)に強制執行を求められる。

中国が労働者保護へ向けて明確な姿勢を打ち出した形だ。
しかも事実上、終身雇用を義務付けており、罰則もある。
中国の工場で雇う工員を簡単に解雇できない。
アルバイト的な雇用も難しくなる。
中国生産における人件費の増大は避けられない。

日系企業は人事・賃金制度の改善に動いている。
また、人件費上昇を見越して事業戦略の見直しも迫られている。

さて、「日系企業」と書いているが、ここで私が言う「日系企業」とはコンプライアンスのしっかりした企業のことだ。
社長室でふんぞり返っているだけの社長は気をつけたほうがいい。


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コメント 7

オーストラリアも made in China がいっぱいです
by (2007-07-01 22:08) 

リス太郎

mompeli さんへ
世界の工場といわれる中国。非常に重大なニュースなのに日経以外は取り上げていない。そっちのメディアはどうですか?
by リス太郎 (2007-07-01 22:48) 

めぎ

一日留守にしてニュースなど無縁だったので、今とりあえずラジオの5分間ニュースを聞いてみました。一言も中国のことは出てきませんでしたねえ。ドイツのニュース以外は、イギリスのテロの話とアフガニスタン、ロシア、イスラエル、香港のデモなどのニュースが続きました。
by めぎ (2007-07-01 23:06) 

リス太郎

めぎさんへ
ラジオやテレビのニュースではやらんと思うよ。ただ、経済新聞でしか報じられない日本のマスメディアの在り方は大問題やと思うね。目線が低すぎるんやな。
by リス太郎 (2007-07-01 23:44) 

うーん今のところ見あたらないです あ でも経済紙じゃないからな~うち。
今日 中国人主婦と家で食事を作るかどうかって話してたんですけどね
オーストラリアじゃ彼女ももちろん「自分が作らなきゃ誰が作る」なのですが 中国だと旦那さんの稼ぎだけじゃやっていけないから自分も働きに出る だから家のことは「家務」 つまりお手伝いさん雇ってやってもらうのよ~ って言ってました。つまり お手伝いさん雇うのってそんな負担ではないわけですね。なもんで 彼女と同世代の同じような状況の人たちは みんな料理ができない(!!)らしいです。
by (2007-07-02 20:24) 

リス太郎

mompeli さんへ
中国でお手伝いさんを雇えるのは超裕福な人たちです。日本もそうですが。
中国の場合、料理はどちらかといえば男の役目です。中国で女性のコックというのは見たことありません。「料理は本来、男の仕事」と思い込んでるようです。夫婦共働きが当たり前な国なので、早く仕事が終わった方が市場へ行き、買い物して家で料理する。料理のうまい男はいい夫という風潮があり、「家で料理をしない」などと本当のことを言うと、間違いなく軽蔑されます。
by リス太郎 (2007-07-02 22:19) 

彼女の話を聞いていると超裕福とも思えないので それくらい人件費は安いのかな…と思ったのですが 北京に住んで「フツウ」に暮らしているってことは それだけで地方とはずいぶん違うモノだとは思います。「料理は本来男の仕事」 ほっほっほぉ~いいことを聞きました。リス太郎さんは料理しますか?
by (2007-07-03 09:46) 

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