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ケータイ小説が売れている

渋谷の書店さんで元同僚の若い兄ちゃんに偶然会った。
彼は今、新興の中堅出版社に勤めている。
彼の会社ではケータイ小説の出版に力を入れており好調らしい。
せっかくなので根掘り葉堀り聞いてみた。
差しさわりのない部分のみ紹介したい。

「ケータイ小説」なるもの、ずっと気になってた。

出版科学研究所の発表によると、2007年の推計出版物販売額は2兆853億円で前年比3.1%減。
このうち書籍の推計販売額は9026億円で同3.2%減。
販売部数は前年並みだったが、平均単価が1,131円と前年に比べ3.8%下がった。
これは新書やケータイ小説の売れ行きがよいかららしい。

若者の活字離れとか、マスコミとかでもっともらしく語られるんだけど、私にはぴんとこない。
確かに出版業界の不況は深刻なんだけど、「活字離れ」などという現象が本当にあるのか疑問。
少なくともここ数年の雑誌と書籍の販売額推移を見るかぎり、ともに微々たる減少にすぎない。

憂うべきは活字の質が下がっていることなのだが、今日はそんなくそまじめな話をするつもりはない。

「ケータイ小説ってそんな売れてんのん?」
「売れてますよ」
「誰が買うのん?」
「やっぱり女子高生っすね」

そうか、女子高生か。
女子高生に支持されるもんが売れるんや。

「書いてんのは素人やろ?」
「書き手もやっぱり女子高生が多いですね」
「俺、女子高生じゃないけど書いていい?」
「もちろんいいですよ」

おっさんが書いてもいいらしい。

「どうすりゃええねん?」
「魔法のiランドとかに掲載すればいいんです」
「ふたりの愛ランドなら知ってるけど」
「なんっすか、それ?」

「ふたりの愛ランド」は石川優子とチャゲのデュエットである。

「いま本になってるのは大体、魔法のiランドですね。書いてるのはみんな一般の女子高生とかですよ。ペンネームを使って発表するんです」
「じゃあ俺もなんかペンネーム考えなきゃな」
「何にします?」
「リス太郎とか」
「ださっ」

「俺がケータイ小説書いたら本にしてくれる?」
「自分とこで出しゃいいじゃないっすか」
「俺とこそーゆーの、無理だから。わかってるやろ?」
「エロいのやめてくださいね」
「ちょっとぐらいええやろ?」
「まあ、ちょっとぐらいなら・・・」

ちょっとぐらいならエロくてもいいらしい。

「ほら、ケータイ小説はみんな横組みなんですよ」
「うちの本も横組みが多いで」
「専門書じゃないっすか」

「活字の色も赤とか青とかカワイイでしょ?」
「ほんまやな。黄色とかもいいかもね」
「読みにくいっしょ」

「俺たち、活字は黒っていう先入観があるのかもね」
「見た感じが綺麗で女子高生に受けるんですよ」
「じゃ、うちでもやってみるかな」
「いや、それはやめたほうが・・・」

「価格もほら、みんな千円なんですよ。千円なら女子高生でも買いやすいでしょ?」
「うちの会社、千円でも買いにくい人、多いで」
「・・・・・」


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コメント 3

リス太郎

なんかしゃべりなさい。
by リス太郎 (2008-02-15 00:53) 

ゆゆ

携帯小説は作者の「語彙」「表現力」「想像力」がピンきりです。
誰にでも書けるので誰にでも読めるわけです。
by ゆゆ (2008-02-15 07:46) 

リス太郎

なるほどね。誰でも書けるものが読みたきゃブログのネットサーフィンでもしてりゃいいのにね。
ただ、いい悪い、好き嫌いは別として、「ケータイ小説」というジャンルが「商品」として成長していくことは間違いないだろうね。
by リス太郎 (2008-02-16 00:29) 

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