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第2次天安門事件から18年

今年も6月4日が来た。
18年と言われてもピンとこない。
22歳だった学生の私は40歳のおっさんになった。
銃で撃たれ装甲車に轢き殺された学生たちも、生きていれば私と同じくらいだろう。
軍に大量殺戮を命じた鄧小平と李鵬を許してはならない。
言論統制された中国で、この事件は風化しつつある。
しかし同じ過ちを二度と繰り返させないためにも、決して忘れ去られてはならない歴史である。

民主化を要求する学生たちに優柔不断だったとして失脚した趙紫陽。
趙紫陽死去と反日デモの関連性について数ヶ月前に書いた。
先日、『趙紫陽軟禁中的談話』を入手した。
これから時間を見つけて読むつもりだが、必要があれば内容について記事を書きたい。

新聞各紙は日経を除き、今日が天安門事件18年であることにほとんど触れていない。
産経が「20世紀のきょう」で、天安門広場に集結した学生や市民の写真を大きく掲載し、事件のあらましをごく簡単に説明しているが、これは「記事」ではない。
日経は「中国、独自の「民主」模索」と題し、中国民主化の可能性と問題点について論じている。
また、民主活動家の劉曉波氏にインタビューしている。

劉氏は非共産党員が閣僚に就任したこと(科学技術相になった中国致公党の万鋼氏)について、「閣僚についた民主諸党派の人は共産党よりも共産党的でなければならない」と述べている。
また、中国の本当の民主化はいつ始まるかとの質問に、「2012年に胡錦濤総書記が引退し、李克強らの時代になったときだ」と答えている。
李克強という人物、ほぼ間違いなく中国の次期リーダーなのだが、嘘でも自分が日本の次期リーダーだと思う人は、彼をよく研究しパイプを作っておくべきである。

先日6月2日、黄菊副首相が死去した。
黄菊氏は中国共産党序列6位。
いわゆる「上海閥」の有力者だ。
中国共産党は胡錦濤を中心とする「共青団(共産主義青年団)派」と、曽慶紅を中心とする「太子党」(高級幹部の子弟で構成)、そして江沢民を中心とする「上海閥」が権力闘争をしている。
黄菊氏が死亡したことで、「上海閥」はよりいっそう弱体化するのは間違いない。
ただ、胡錦濤は睨みをきかしながらもうまくバランスを取っていると思う。

さて、李克強も共青団出身である。
胡錦濤から李克強への政権交代の中で、混乱なく民主化が実現していくことが望ましい。
中国の民主化は政府主導型でないと成功しないという見方がある。
人民主導で民主化を勝ち取ろうとした場合、大きな混乱と犠牲を生むことは間違いない。

しかしだからといって、民主化を求める運動をやめるわけにはいかない。
市民が主権者としての自覚を失い、自ら社会を変えることを忘れたとき、われわれの生活は一部の権力者のいいように犠牲にされる。
私は「革命」が嫌いだが、市民運動を盛り上げていかねば社会は変わらないのである。
歴史というものは、次の社会というものは、そうやって築かれるものなのだと思う。


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リス太郎

mompeli さんへ
ナイス有難うございます。
by リス太郎 (2007-06-07 00:03) 

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