「選挙権18歳」に異議を唱える関西学院院長
本日7月9日付け日本経済新聞「インタビュー領空侵犯」の全文を掲載する。
「選挙権18歳」に反対する関西学院院長のルース・M・グルーベル氏に意見を聞いている。
今年の1月8日、『私が18歳成人に反対する理由』と題して記事を書いた。
http://blog.so-net.ne.jp/jpdragon/2007-01-08
グルーベル氏の意見を聞いた上で読み直していただければ有難い。
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インタビュー 領空侵犯 2007年7月9日付け日本経済新聞朝刊オピニオン面より全文
「選挙権18歳」に異議 政治意識の向上が先決
関西学院院長 ルース・M・グルーベル氏
Ruth M. Grubel
50年米国生まれ。宣教師の両親と来日し2歳から17歳まで過ごす。ウィスコンシン大教授を経て98年関西学院大教授。宣教師。専門は国際関係論。07年4月から第15代関西学院院長。
――先の国会で成立した国民投票法(憲法改正手続き法)は投票権年齢を原則18歳以上と定めました。それに伴い選挙権も18歳に下げる案が有力ですが、この動きにご意見があると聞きました。
「長く日本で暮らしてきて、20歳の成人式は本当に素晴らしいシステムだと思います。やはり今の日本の状況を見ていて、その年齢をバー(1つの基準)として選挙権を考えることが自然だし、今それを変える必要性がわかりません。国会の議論の妥協によってそうなったとすればますます疑問です」
――米国は1971年に選挙権を18歳に下げました。
「米国が選挙権年齢を21歳から18歳にしたのはベトナム戦争での徴兵問題が背景にあります。当時は18歳以上の男性が戦場に送られました。その当事者である18歳以上の男性に選挙権がなく、国の意思決定にかかわれないのはおかしいという若者の主張が生まれ、学生デモなどによって彼らの政治意識が高まった結果です」
「思い出すのは69年。18歳になる青年のうち、だれが戦場に行くか、くじ引きで決まりました。○月○日という誕生日の数字を引くのです。全国にテレビで報じられ、何と私の誕生日が最初に当たりました。該当年齢だった私は女性だから兵役を免れましたが男性は気の毒でした」
――世界の多くの国も18歳選挙権が普通です。
「選挙権が18歳か20歳かでそんなに違いはありません。むしろ問題なのは、若い世代がいかに政治に関心を持つかです。それにはまず投票以外のところでの社会参加の意識が大切なのです。16歳ぐらいから環境や高齢者問題を考え、様々なボランティア活動に参加し、自分はこの社会の重要な一員だという意識を持つことが大事です」
――日本の青年の政治意識は低いでしょうか。
「フランスから来ている留学生から『日本の学生は政治のことをまったく話題にしない』と不思議がられます。実は今、米国でも若者の政治への無関心が広がっています。選挙の投票率も18-20歳が最も低いのです。ベトナム戦争時とは隔世の感があります。米国では高校卒業によって家族から独立するといわれるのですが、今は親の意見が大きくなっています。日本の学生たちを見ていて、まだまだ大人に甘えているところが目立ちます。18歳選挙権を論じる前に、自分たち1人ひとりが責任ある社会の一員であるという自覚を持ってもらう、その議論をまずすべきではないでしょうか」
【聞き手から】
18歳選挙権の議論は降ってわいたような唐突感が否めない。ベトナム戦争時の米国のような切実な若者の運動があったわけではない。下からの要求が弱い中での「上からの恩恵」の色彩が濃い。「学ぶチャンスを生かせ」と学生を励ます関西学院初の女性院長も、日本に漂う非政治的なムードが気になるようだ。 (編集委員 須貝道雄)
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アメリカが18歳選挙権を導入した経緯というのが興味深く、今の日本との違いが鮮明になっている。
要らんもんは要らんとはっきり言える「大人」でありたい。
こっちは選挙権 何歳からかわからないんですが
投票行かないと 罰金です
by (2007-07-10 03:31)
えええ、罰金なの!それはすごい。
ドイツの選挙権も何歳からか私分からないんですが、兵役は18歳です。
たしかに、政治の話をすること、ドイツの人は好きだよな~
by めぎ (2007-07-10 06:17)
ぺりさんへ
へ~、知らなかったね。罰金はやりすぎやろ。
by リス太郎 (2007-07-10 23:30)
めぎさんへ
ドイツは18歳からです。世界の主要な国はほとんどが18歳です。
でも日本は日本である。いちいち合わす必要なし。
by リス太郎 (2007-07-10 23:32)
もんちゃんへ
ナイスおおきに。
by リス太郎 (2007-07-10 23:33)