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京都鞍馬口旅情 おしゃべり深海魚の巻 [旅情シリーズ]

母校に別れを告げると急いでバスに乗り込む。
超ハードな一日の始まりです。
北大路を入念に営業したあと衣笠の立命館へ。
そっから飛び乗ったバスは私の予測を裏切り堀川今出川を直進。
すぐに堀川中立売で降りればよかったんだけど、ぐずぐず迷って堀川丸太町まで行く。
烏丸まで歩いて地下鉄に乗ったほうが早いという判断。

この場合、すぐに下車して歩いたほうが正解。
しかしいちいち振り返る時間が惜しい。
取り返せない過去はさっさと捨てるにかぎる。


川のくせに水のない堀川 (堀川丸太町にて)

ここから歩いて烏丸通へ出て地下鉄に乗る。
ここまで来たらずっと歩いてもいいんだけど、まだまだぎょうさん歩かなあかんので。

あ、どこへ行くのか言うの忘れてました。
地下鉄今出川で降りて同志社大学。

そっから地下鉄で京都駅へ。
京都駅周辺と十条を営業。

午後8時ごろに営業終了。
朝から何も食わず汗だくで走り回った。

実は前の晩、あまり寝てません。
M師匠が障害学会の検品やってくれるっちゅうからリストを作ってた。
ファックスしようと夜中に階下へ下りる。

「またファックス借りるで。釣りはいらん」

ぴーひょろぴーひょろとファックスを流す。
1枚ずつ流さないと束のまま流れる。
しゃがみこんでぴーひょろぴーひょろしてると深海魚が居間から出てきた。

すっかり私になついた深海魚。
なんじゃかんじゃとしゃべり出す。
おやっさんの話をひとしきりしたかと思うと今度は娘の話。
娘を京都から連れ出した旦那の悪口かと思ったら、よくよく聞くと高収入の自慢話。
それが終わると息子の自慢話。
息子の自慢話を聞きながらこれ以上子どもがいないようにと願う私。
子どもは娘と息子のふたりきりだったんだけど、今度は嫁をこきおろす。
こんな姑、嫌やろなあ。

家族の話が終わると自分の娘時代の話。
これはかなり興味深かった。
戦時中、岩倉に疎開したんだとか。
岩倉は私が下宿していた町。
今はすっかり住宅地になっているそうですが、当時の岩倉は農村で、身なりも何も自分とは全然違う。
町育ちの深海魚はいじめられたんだとか。
「いじめられる顔かよ」と思いながらも、「大変やってんな」と一応、相槌を打つ。
京都という街は空襲を経験してないのでどこか少しのどか。
でも京都へ帰りたくて毎日、泣いてたんだとか。
彼女のなかでは岩倉はいまだに京都じゃない様子。

ちなみに京都市左京区岩倉は、岩倉具視が隠棲してたことで有名。
隠棲といっても岩倉という男、公家のくせにそうとう鼻っ柱が強かったようで、政治活動をしては浪士に狙われてたんだとか。
岩倉具視といえば岩倉使節団の写真が有名。
自分だけ羽織袴でど真ん中でふんぞり返ってる写真。
頭はちょんまげ。
おまえはキテレツのコロ助か。

京都に昔あった市電の話やら、昔話に花が咲き、それはそれでワタクシ的には面白かったんだけど早く寝たい。
何度も話を打ち切ろうとするんだけど、かまわずしゃべり続けるおしゃべり深海魚。
やっとのことで部屋に戻ったのは夜中の2時でした。

ちなみに私が東京へ帰る前日、電話の向こうでM師匠がのたまう。

「障害学会の検品だけどさ、時間がなくてやってないからね」 (あのなぁ・・・)

さて、京都での仕事を完璧にこなした私は大阪へ移動せねばなりません。
でもその前に、ホテルへトランクを取りに行く。
烏丸鞍馬口でタクシーを拾い京都イン加茂川へ。

トランクをタクシーの荷台に積み込み、深海魚に別れを告げる。
京都へ来たら必ず泊まるからな、ホテルやめるとか言うなよと。
深海魚は笑ってましたが、でもちょっと寂しそうでした。


朝の鞍馬口通

(京都鞍馬口旅情 完)


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コメント 2

おつかれさまでした~
by (2007-10-06 23:13) 

リス太郎

ゆゆちゃん、ぺりさん、ナイスおおきに。
そのうち大阪××旅情もやるで~。
by リス太郎 (2007-10-11 02:54) 

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