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浪花恋しぐれ旅情 これが日本最大級遊郭の現実やの巻 [旅情シリーズ]

9月21日(金)の朝です。
この日は少し曇り空で、暑さもほんの少しマシでした。(午後からカンカン照りになるのですが)
今日も頑張ろうと朝早くから天王寺へ。
書店がまだ開いてませんでした。

しょうがないので駅周辺をぶらぶら。

写真ではわかりにくいですが、仕事にあぶれたホームレスたちが横たわっています。
天王寺駅周辺はいたるところがこんな状態です。

景気は回復している。
日本経済は長期にわたって成長を続けている。
マクロで見た場合、それは間違いのない事実。
でも私のように全く実感もなければ恩恵も受けていない人が多い。
それどころか、拡大し続ける矛盾を誰からも顧みられず、人間らしく生活することすらできない人のなんと多いことか。

なんのための国家か、なんのための行政か。
政治家が経済成長を口にするたび、怒鳴りつけたい衝動に駆られる。

天王寺の書店さんは人権問題の書籍に棚を多く使ってくれています。
そんなこともあり特に入念に営業したい。
でもやはり午前は忙しく、なかなか思うようにいきません。

大阪人ははっきりモノを言います。
「帰ってくれるか」とはっきり言う。
私は慣れてるのでなんとも思いませんが。

書店の店員さんというのはどっか文化人っぽいとこがあって、めったなことではそういう言い方はしません。
でもこれが例えば縫製工場の親父さんだった場合。
「帰れ、ボケ」は当たり前。
そこで帰ってたら営業失格なわけで、なんじゃかんじゃとくらいつく技術が必要とされます。

書店員さんに「帰れ」と言われた場合、私はすぐ帰ります。
よっぽどのことだし、午前中は忙しいのわかってるわけだし。
ま、大阪でしか言われたことありませんが。

東京の人はさりげなく態度で表現します。
赤いスイートピーのようにちらりと時計を見たりする。

そういえば大阪人も婉曲的な表現をします。
「考えときます」という言い方。
関西人には「結構です」という拒否の意味にしかとれないのですが、東京人には通じないらしい。

こないだ、ある人から電話があり、「態度をはっきりしてほしい」という意味のことを言われました。
(色っぽい話ではなく仕事上の話です)
私はなんのことかわからず、「最初っから断っとんのになんやねん」と思ったんですが、あとから思うに、どうも「考えときます」という表現に誤解の原因があるのではと気づきました。
電話をくれた人は私が本当に考えてくれていると思ったんでしょう。

忙しい書店員さんに話を聞いてもらうためには、要点のはっきりしたメリハリのある営業トークをせねばなりません。
めったに来ないんだし話さなきゃならないことは山のようにある。
でも3つまでに絞ります。
あとは忙しい手を止めてでも聞く価値のある話だと思い込ます。
私みたいなしゃべるのが得意な人間でも非常に難しいです。

あちこちに寝っころがるホームレス。
ボロをまとい荷車を引くやせこけた老人。
私は仕事を忘れ動物園前へと歩いていました。

ホルモン屋です。
じゃりんこチエがホルモンを焼いていたのはこういう店です。
ホルモン串1本30円。

山王から飛田本通りへ入ってみました。

このあたりまで来るとホームレスと一般住民の区別がつきにくい。
障がい者も多い。
片手や片足のない人がボロをまとって必死で歩いている。

飛田は日本有数の遊郭としても有名。
東京の吉原に対し大阪の飛田と言われます。
この道をずうっと行った左側で今も営業しているそうです。

大阪府は条例でソープランドの営業を許可していないのですが、ここ飛田新地をはじめ、市内にいくつかの旧赤線があり、今も営業しています。
飛田新地は行ったことないのですが、違うところは若いころ、好奇心で一度だけ行ったことがあります。
どんなところかというと、それはまた改めてお話しましょう。
座布団一枚とか、そういう世界です。

商店街の途中で食事をしました。

老夫婦がやっている大衆食堂なんですが、おふたりとも元気がない。
椅子に座ってうなだれたまま。
私が玉子丼を頼むと、爺さんがやっと起き上がった。
婆さんが水をくんでくれる。
私が食い終わって勘定するまでふたりともうなだれたまま。
客は私ひとり。

なんともいえん気分になり、ふつふつと怒りがこみ上げてくる。


飛田本通りの大衆食堂にいたケロん太の仲間


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コメント 4

飛田…飛田ってそういえば飛田本通駅で降りて ジャンジャン街?だったかな ウロウロしたことがある…碁会所みたいなのがあって ペットショップで小猿が売ってて 串カツ屋でキャベツ生でバリバリ食べた。今思い出した。あれ なんであんなとこに行ったんだっけ…?
赤線といったら 寝屋川のもうちょっと先の「橋本」って駅の近所にも 松模様の欄間や手摺に格子戸、タイル貼りの二階屋がまだ残っている一画がありました。そこはもちろんもう営業はしてないけど 雰囲気は残ってました。
by (2007-10-15 09:50) 

リス太郎

ぺりさんへ
ジャンジャン横丁ね。新世界の。串カツうまいよね。今回の「旅情」でも串カツが登場するんだけど、続きを書くのはだいぶ先になりそうです。
「橋本」って京阪の橋本駅?あの山ん中のなんにもない駅?
ちなみに私が行ったのは京阪沿線の滝井新地です。あまり思い出したくないです。
by リス太郎 (2007-10-22 04:41) 

なんにもなさそうで 実は…フッフッフ。。。
いえ 今でも残ってるかどうかわからないのですが
ちょっと ここはいつなんだろうって感じの場所があったのですよ。橋本。
ジャンジャンの碁会所には紅い着物をひっかけた青いサングラスで白髪の
たらりとのびたおじいちゃんが部屋の隅に座ってふつーに碁を打ってました。
あんまりみちゃいけない~と思いながら 目が離せなかったのでした。
by (2007-10-22 23:37) 

リス太郎

ぺりさんへ
橋本の郷土史を調べると面白いかもね。ジャンジャン横丁にはただ者じゃないじじいとかばばあがいるね。私もそういうじじいになれるよう精進します。
by リス太郎 (2007-10-26 02:42) 

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