出版健保の「１５番」
今日、初めてバリウムを飲んだ。
４０歳になると健康診断がややこしくなるらしく、バリウムが嫌で去年は行かなかった。
今日は意を決して出版健保へ行った。
昨日の９時までに食事をすませ、金魚のように水しか飲めない。
当日の朝からは煙草もダメらしく、朝起きて一服しているとよめはんに怒られた。
あれもダメ、これもダメとうるさいので、朝早くから家を出た。
神田駿河台の出版健保５階へ行く。
検査衣に着替え、１５番のバッチをつけ１５番の椅子に座る。
手には文庫本『桂米朝私の履歴書』。
こいつが私にはめちゃくちゃおもろい。
おっちゃん、おばちゃん、ばっかしやな、と思ったら、それもそのはずであった。
おっちゃんはベージュの検査衣、おばちゃんはブルーの検査衣。
え？あんた、おばちゃん？と思うようなおばちゃんもいる。
座席には紙コップがあり、飲み物でも出るのかと思っていたら、おしっこ入れろと書いてある。
ちょうどしたかったので、採尿室へ行きなみなみと注ぐ。
座席に戻り文庫本を読んでいるとおっちゃんが受付でなんか言うてる。
「早く来すぎたけどいい？え？おしっこ？いましたくないから。おしっこいま出ないから。あとでいい、おしっこ？おしっこあとで。」
おしっこ、おしっこ、と大きな声でうるさい。
しばらくすると白衣の看護士のおねえちゃんが出てきて、手もとの画面を見ながら将棋の駒のように我われを動かす。
「１番さんから７番さんまで５番の胸部エックス線へどうぞ。８番さんから１４番さんまで３番の聴力検査へ」
次は俺だと思ったら急に黙り込む。
しばらくすると１５番から２１番が呼ばれる。
いきなり採血。
終わると席へ戻り次の指示を待つ。
あとは早く戻った順に検査項目の空き状況に合わせて指示が出る。
すべて白衣の彼女が画面を見ながらコントロールしている。
けっこう間がある。
文庫本を読みながら待つ。
「１５番さん、７番の身体測定へ。１５番さん！」
あ、わし？
はいはいと身体測定へ向かう。
棒を背中に立つと上から自動的にバーが降りてくる。
頭のてっぺんに到着する直前にかかとを上げるのがコツ。
同時に体重も量っていたらしい。
手には文庫本を持っていた。
再び座席に戻り文庫本を開く。
「１５番さん、９番の心電図へ。１５番さん、１５・・・」
どうも反応が鈍い。
白衣のおねえさんも完全に私をマークしているようで、「１５番」を呼ぶときの声に力が入る。
こんなことが５回ほど続く。
本なんか読んでるからダメなんだと、耳をすませて呼ばれるのを待つ。
ちっとも呼ばれない。
白衣のおねえさんのところへトコトコと歩く。
「我慢できないんでうんこしてきていいですか？」
すっきりして座席に戻る。
「１５番さん、１３番の超音波へ。１５番さん！」
眠りかけてた。
パンツ一丁にサウナみたいな検査衣を着ていると妙にリラックスする。
おまけに超音波だという。
まさしくサウナでしょう。
脳内にはシータ波だかなんだかが充満している感じ。
「１５番さん、１５番の胃部エックス線へ。１５番さん！」
とうとうバリウムだ。
バリウムについてはよめはんからくどくどと不必要な前知識を植えつけられている。
つい先日もよめはんはバリウムを飲んだ。
３日経っても白いうんこが出ず、パタパタとあわてていた。
毎晩その話ばっかり。
土曜休みの日。
よめはんは友だちと会うんだと出かけて行った。
病院から電話があったら携帯へかけるよう言ってくれとのこと。
なんの電話かと思ったら・・・
「あのう、奥さんのバリウムのことですが・・・」
私のバリウムは３時間後に液体のままベローチェのエンジ色の便器にぶちまけられた。
完全な液体だったのに流すと白いペースト状のものが便器に残っている。
エンジ色の便器と白いバリウムのコントラストは美しく、甘いミルクをかけたとよのかいちごのようでした。
ねむ。
限界。
しばらくは硬派なネタが続きますが宜しくお付き合いください。
（便は軟派だが）
４０歳になると健康診断がややこしくなるらしく、バリウムが嫌で去年は行かなかった。
今日は意を決して出版健保へ行った。
昨日の９時までに食事をすませ、金魚のように水しか飲めない。
当日の朝からは煙草もダメらしく、朝起きて一服しているとよめはんに怒られた。
あれもダメ、これもダメとうるさいので、朝早くから家を出た。
神田駿河台の出版健保５階へ行く。
検査衣に着替え、１５番のバッチをつけ１５番の椅子に座る。
手には文庫本『桂米朝私の履歴書』。
こいつが私にはめちゃくちゃおもろい。
おっちゃん、おばちゃん、ばっかしやな、と思ったら、それもそのはずであった。
おっちゃんはベージュの検査衣、おばちゃんはブルーの検査衣。
え？あんた、おばちゃん？と思うようなおばちゃんもいる。
座席には紙コップがあり、飲み物でも出るのかと思っていたら、おしっこ入れろと書いてある。
ちょうどしたかったので、採尿室へ行きなみなみと注ぐ。
座席に戻り文庫本を読んでいるとおっちゃんが受付でなんか言うてる。
「早く来すぎたけどいい？え？おしっこ？いましたくないから。おしっこいま出ないから。あとでいい、おしっこ？おしっこあとで。」
おしっこ、おしっこ、と大きな声でうるさい。
しばらくすると白衣の看護士のおねえちゃんが出てきて、手もとの画面を見ながら将棋の駒のように我われを動かす。
「１番さんから７番さんまで５番の胸部エックス線へどうぞ。８番さんから１４番さんまで３番の聴力検査へ」
次は俺だと思ったら急に黙り込む。
しばらくすると１５番から２１番が呼ばれる。
いきなり採血。
終わると席へ戻り次の指示を待つ。
あとは早く戻った順に検査項目の空き状況に合わせて指示が出る。
すべて白衣の彼女が画面を見ながらコントロールしている。
けっこう間がある。
文庫本を読みながら待つ。
「１５番さん、７番の身体測定へ。１５番さん！」
あ、わし？
はいはいと身体測定へ向かう。
棒を背中に立つと上から自動的にバーが降りてくる。
頭のてっぺんに到着する直前にかかとを上げるのがコツ。
同時に体重も量っていたらしい。
手には文庫本を持っていた。
再び座席に戻り文庫本を開く。
「１５番さん、９番の心電図へ。１５番さん、１５・・・」
どうも反応が鈍い。
白衣のおねえさんも完全に私をマークしているようで、「１５番」を呼ぶときの声に力が入る。
こんなことが５回ほど続く。
本なんか読んでるからダメなんだと、耳をすませて呼ばれるのを待つ。
ちっとも呼ばれない。
白衣のおねえさんのところへトコトコと歩く。
「我慢できないんでうんこしてきていいですか？」
すっきりして座席に戻る。
「１５番さん、１３番の超音波へ。１５番さん！」
眠りかけてた。
パンツ一丁にサウナみたいな検査衣を着ていると妙にリラックスする。
おまけに超音波だという。
まさしくサウナでしょう。
脳内にはシータ波だかなんだかが充満している感じ。
「１５番さん、１５番の胃部エックス線へ。１５番さん！」
とうとうバリウムだ。
バリウムについてはよめはんからくどくどと不必要な前知識を植えつけられている。
つい先日もよめはんはバリウムを飲んだ。
３日経っても白いうんこが出ず、パタパタとあわてていた。
毎晩その話ばっかり。
土曜休みの日。
よめはんは友だちと会うんだと出かけて行った。
病院から電話があったら携帯へかけるよう言ってくれとのこと。
なんの電話かと思ったら・・・
「あのう、奥さんのバリウムのことですが・・・」
私のバリウムは３時間後に液体のままベローチェのエンジ色の便器にぶちまけられた。
完全な液体だったのに流すと白いペースト状のものが便器に残っている。
エンジ色の便器と白いバリウムのコントラストは美しく、甘いミルクをかけたとよのかいちごのようでした。
ねむ。
限界。
しばらくは硬派なネタが続きますが宜しくお付き合いください。
（便は軟派だが）
＞白衣のおねえさんのところへトコトコと歩く。
「我慢できないんでうんこしてきていいですか？」
こらえ切れずに馬鹿笑いをしてしまいました。
可笑し過ぎる・・・・・。
by ゆゆ (2008-03-19 07:18)
なんで男はするっとでるのに 女はでないんでしょうね ばりうむ。
オーストラリアのトイレは一見勢いよく流れているようなのですが
かなり節水になっているのでほんとに流れなくてこまります。
by mompeli (2008-03-20 09:21)
ゆゆちゃんへ
相変わらずわかりやすいとこで笑うね。（笑）
by リス太郎 (2008-03-20 09:35)
ぺりさんへ
万年下痢症の上に下剤を飲んだからシャワーのようでした。
あ、ぺりさん来たら言おうと思ってたんだけど、こないだ日本のテレビで映画『ＵＤＯＮ』をやってたよ。サンタマリア主演（？）のやつ。なかなか面白かった。うどんが食いたくて仕方なくなった。後半はちょっとしんみりと考えさせる内容。
by リス太郎 (2008-03-20 09:45)
健康診断を馬鹿にしてはいけませんよ！
バリュームも、美味しくいただきましょう。先日、高校時代の大大親友が59歳の生涯を閉じました。当方の通った高校は、全寮制の男子校（既に廃校）でした。大大親友とは3年生の時同室で、お互い、無期停学の処分をくらった仲で、何か親近感がわき、普通の親友とは違う関係でした。
今年の1月末に、体調がすぐれない為病院に行き検査をしたところ、手遅れの癌でした。奥さんに聞いたところ、2年間健康診断を避けていたそうです（バリュームが大嫌い）。
これから、お通夜に行ってきます。
合掌
by temori (2008-03-20 10:30)
わかりやすいのが「売り」なんです♪
by ゆゆ (2008-03-20 17:26)
temori さんへ
そうですか。それは残念です。親友が亡くなるというのは辛いと思います。まだまだ頑張れる年齢なんだし。バリウムは飲んでみるとそんな嫌なもんではありませんでした。「セメントを飲まされる」とか、同居人が大げさに言うもんで。今度お会いしたら無期停学になった理由を教えてください。
ご冥福をお祈りします。
by リス太郎 (2008-03-21 02:27)
ゆゆちゃんへ
そうか。できるだけわかりやすいギャグを入れるよう心がけるね。
by リス太郎 (2008-03-21 02:28)
そうそう うどんがたべたくなります。美味しいうどん。
讃岐のうどんも最近はオーストラリアの小麦で作られてるっていうので
こっちの小麦で作ってみましたが やっばりなぁ～何かがまったく違います。
ああやってみるとジャパニーズファーストフードですよね ホント。
by mompeli (2008-03-21 14:20)
別に私のレベルに合わせなくてもよいでふ。
by ゆゆ (2008-03-21 17:53)
こういうの、落語にならないの？ちょっと下品かしらん…
by ゆゆ (2008-03-21 23:29)
ペリさんへ
俺、うどん打つのうまいよ。なか卯一乗寺店でやってたからね。コツは冷水ですばやくしめること。再チャレンジされたし。
by リス太郎 (2008-03-26 22:22)
しめるとき、肘から下、全部使ってしごくねん。洗う感じ。これがコツかな。
by リス太郎 (2008-03-26 22:25)
ゆゆちゃんへ
日常の全てが落語。落語はそのへんに転がってる。大事なのは感性。
by リス太郎 (2008-03-26 22:26)