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日本経済新聞「TPPおばけ」呼ばわりへの反論

昨日(2月18日)の日経朝刊に「TPPの誤解薄らぐ」と題する記事が載りました。
「TPPおばけ」の真偽が徐々に判明したんだそうです。
記事をよく読めば明らかなプロパガンダだとわかるのですが。
めんどくさいけど一応反論しておきます。

まず「おばけ」の1番目ですが、医療の崩壊と外国人の単純労働者受け入れについては私は全く心配していません。
医療や年金といった社会保険制度は国際競争になじまないものでありアメリカが要求しないのは当たり前です。
要求されても断ればいい。

単純労働者受け入れについても同じことです。
私は仕事柄、ちょっとは受け入れてほしいぐらいですが。
まあ限度があるし自国民の雇用を守るのは当たり前のこと。
したがってアメリカが要求しないのも当たり前。(そもそもメリットがない)

2番目の農業ですが、これは三角ですね。
日経は「事前協議で明らかになった事実」として「交渉次第で例外が認められる可能性」と書いてますが、それって「事実」ですか?

自民党時代に「攻めの農業」とか言ってて、「アホなことを」と思ってましたが、新興国の経済力が高まる中で「アホなこと」ではなくなりつつある。
「高すぎる」という問題はありますが、日本の農産物や水産物、そしてその加工食品は確かに競争力があります。

ただし自給率がこれ以上下がるのは安全保障上問題です。
それでなくても大震災の影響で東北や北関東の農林水産業は大打撃を受けている。
復興というのは掛け声だけで簡単にできるものではありません。
TPP参加は被災地の復興を阻害するものでしかないと思います。

3番目は「いまごろ参加しても遅いんちゃう?」という反対理由ですが、「早期妥結は困難。日本に時間的余裕も」としています。

TPPはもともと、シンガポールなど4か国が始めた「P4」が起源です。
そこにアメリカが入ってきたことで意味が大きく変わってしまった。
そして後出しじゃんけんのように日本がしぶしぶやってきた。
アメリカを無視できないからです。

日本も加盟すれば日米がGDPの大半を占めることになります。
そして日本はアメリカの言いなりになり他の加盟国からもバカにされるでしょう。
「あとから来たこの人なんなんだ」って。

4番目から6番目は以下のとおりです。

4.紛争処理条項の導入で日本政府が外国企業に訴えられるんちゃうか
5.遺伝子組み換え食品の表示制度廃止を求められるんちゃうか
6.日本の公共事業に外国企業が参入してくるんちゃうか

これに対し日経は「事前協議で明らかになった事実」として「今後の協議次第」としています。
協議したところですべて飲まされるはずです。

4の「紛争処理条項」はISDS条項のことだと思うのですが、世銀傘下の仲裁委員会はアメリカの「裁判所」みたいなものです。
世銀の歴代総裁は全員アメリカ人です。

5と6についてはいちいち書かなくてもいいと思います。
非常に重要な3つについて「今後の協議次第」という理由で「おばけ」呼ばわりしています。
こんな新聞社が「日本経済」を名乗っていることに強い違和感を感じます。

実は日経の記者はすべてわかっているはずなんです。
わかっててわざと「亡国」のお先棒を担いでる。
スポンサーには逆らえない。

しかしそういったインチキ記事を金を払って読まされている我々一般大衆はたまったものではありません。
そして誤った世論が形成され「亡国」へとまっしぐら。

しかし日本は有り難いことに言論の自由が憲法で保障されています。
出版などの形で自由に意見が言える。
ノーと言うべきはノーと言うべきです。

ちなみに「TPPおばけ」という言葉を最初に使ったのは民主党の前原氏のようです。
なるほどね。

カニ助先生は一風変わった理由でTPP反対だそうです。
「なんで貿易を自由化するのに枠つくんの?」とのことです。
つまり「そもそも論」です。

考えてみれば私たち日本人は地球上のどんな小国とも対等な関係を築いていかねばなりません。
これは日本国民の基本理念(憲法前文)です。
枠をつくることは憲法の理念に反していると言えなくもない気がします。

なおTPPは国際協定であり加盟すれば日本の法律より優位となります。
しかし憲法は法律ではないのでTPPより優先されます。
(憲法と条約は同位であるとする法学者もおられるようですが)

よく考えましょう。

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リス太郎

さらに言えば中国が日米関係の瓦解を目論んでいることも視野に入れて考えるべきです。国際関係とはひとつのニュースにとらわれるのでなく、点を線にし、そして面にし、さらには立体化して考える必要があります。恩師である故・小島朋之先生の教えです。
by リス太郎 (2012-02-19 12:59) 

リス太郎

中国について書く必要がありますが時間がないのでこの場を借りてプロローグ。
習近平より李克強を研究すべきです。李克強とのパイプを太くする必要がある。習近平の暴走を食い止めるために。本来、中国の次期リーダーは李克強のはずでしたが、中国共産党内部のパワーオブバランスで習近平となりました。これは日本にも責任があります。自民党時代の日本は胡錦濤政権の安定に協力しなかった。その結果、胡錦濤は共産党内部の勢力争いで厳しい立場に追いやられ太子党の言い分を無視できなくなった。習近平が李克強に代わって次期リーダーの一番手に浮上した経緯にはそういった中国のお家事情があります。日本は重要なカードを握っていたのですが、最悪な使い方をしてしまった。
しかしまだ間に合います。李克強を研究しパイプを強めることでアメリカや中国のいいようにさせず、日本と中国の友好発展を促進できます。中国の現代史をみても、周恩来の時代より国務院総理(首相)が重要な役割を果たしていることがわかります。面子を重んじる中国において国家主席は弱腰な言動ができないのですが、実務において調整に辣腕をふるうのが国務院総理です。
by リス太郎 (2012-02-19 13:17) 

リス太郎

ニュースの報道はポーズです。習近平さんが帰ったあとのアメリカの態度の変化にご注目。
by リス太郎 (2012-02-19 20:36) 

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