追悼・石井昭男
去年２０２２年１２月３０日、私が非常にお世話になった恩人である株式会社明石書店創業者の石井昭男氏が永眠されました。１９４０年生まれなので８３才でした。明石書店４０周年記念パーティーが上野で行われたときは７９才で、矍鑠たるものでした。親しみをこめて「石井社長」と呼びますが現在の社長は大江氏です。石井社長は兵庫県明石市の被差別部落出身で、子どもの頃はひどい差別を受けたそうです。それから一家は差別から逃れるため大阪の猪飼野に移りました。いわゆる「朝鮮部落」と呼ばれる一帯で、同じ差別を受けるもの、共に協力しようということで、日本人である被差別部落民が猪飼野に逃げてくることがよくありました。
石井社長は私のことを「関西」と呼びます。自分も関西のくせにというか同じ播州人です。私が育った神戸市垂水区は明石市と隣接しており、垂水も今は住宅街ですが元はといえば被差別部落です。そこへ台地を削って団地をいっぱい建て、西日本各地から港湾労働者を中心に仕事を求めて移住してきたのです。私の父も愛媛県から移住しました。
石井社長の口癖は「アイラブユー」です。誰にでも「アイラブユー」と言います。「おいっ！関西！」「社長なんですか」「アイラブユー」とか。あと「ポンユウ」という言葉も好きでした。「僕と彼とはポンユウだ」のように使います。これは「親友」という意味で、中国語の「朋友」に由来します。であれば正しい発音は「ポンヨウ」なのですが、何故か社長は「ポンユウ」と言います。
私が石井社長を知ったのは大阪守口時代。１９９７年頃から紳士服副資材卸の会社を辞めて東京へ出て出版社を立ち上げようと考えました。そこで京阪萱島駅前の古書店で明石書店の『韓国・朝鮮を知るための５５章』（現在のエリア・スタディーズの源）を買い、奥付をみて「こいつが社長やな」と。で、弟子入り志願の手紙を書いた。そしたら数日後に段ボールが届き、開けたら自分が表彰されたり取材を受けたり講演したりした新聞・雑誌のコピーがてんこもり。それに手紙が付されていました。いやあ、感動したなあ。それらは今も大事にしまってあります。
それから社長が大阪出張のときに会うこととなりました。梅田の新阪急ホテルの喫茶店です。鮮明に記憶しています。社長は「出版社の社長は暗算ができないといけない。刷り部数がいくらでなににいくらかかっていくらもうかるとか、直感でひらめいてその企画のるかどうか決めねばならない。あなたにはできますか」みたいな。ちなみに石井社長は私と違い関西弁は使わない。アクセントも標準語。ただし自分のことを「僕」と言う。
怒るとおそろしい勢いで怒鳴り散らすけど。播州はあんなおっさんばかりだから私は慣れてたけどみんな震えあがってた。
それから１９９８年５月に会社を辞め、石井社長とアポを取り東京へ行きました。JR御茶ノ水から歩いて湯島まで行きました。しかし石井社長は私が勝手に会社を辞めたと知り烈火の如く怒りました。「仕事というのは次が決まってから辞めるもんだ」と。これは石井社長ご自身の苦労から来るのだと思います。被差別部落出身者は就職差別に合いなかなか就職できません。石井社長は皮革製造の会社を立ち上げるのですが倒産させてしまいました。しかし部落解放同盟の機関紙作成に関わっていたため「僕には出版社を経営できる」と考え明石書店を立ち上げたのです。最初は部落問題ばかり扱っていましたが徐々にテーマが増え、「反差別」という根っこの部分は揺るがないのですが、広く人文社会系の書籍を扱う出版社となりました。
石井社長のおもしろい話は枚挙に暇がないのですが、今日は社長と息子さんと６０年安保時代のご友人と私の４人で台湾を旅行したときの写真を紹介します。時期は２００６年４月２７日から４月３０日です。
自己紹介。右から社長の息子さん、石井社長、安保のご友人、私。
ちなみに安保のご友人曰く「あのころの（６０年安保の）石井は髪の毛なんか爆発してて目はギラギラしてるし異様な形相で機動隊を睨んでた」。その頃の石井社長の写真は私も見たことがあるのですが、「異形」という言葉がぴったりだと思いました。よく知りませんが大きな組織のリーダーだったそうです。そして樺美智子さんが亡くなり闘争は血で血を洗うものとなっていきました。
明石書店から出版された『台湾総督府と慰安婦』の著者である朱徳蘭さんを表敬訪問。右から私、その手前に朱徳蘭さん、その娘さん、石井社長、レストランの女将さん（と思われる）、息子さん、ご友人。朱徳蘭さんの娘さんははにかみながらジャニーズの「嵐」が好きだと言っていました。これは今回の台湾旅行の写真で一番気に入っている写真です。
台北賓館（ホテル・タイペイ）の前で。
笑ってるのが私。石井社長は笑ってませんが機嫌がいいときの顔です。
石井社長とのツーショットはこの一枚のみです。
紀伊國屋書店と誠品書店を表敬訪問したのですが、どちらの写真がどちらだかわからなくなりました。
私は石井社長の訃報を今年２０２３年１月６日にある筋からの情報で知りました。「まだ公にしてはならない」ということでしたが、ちょうど東京ジャーミイに見学に来ていたので江戸川総合人生大学の野山先生には言いました。そして１月１３日に明石書店から訃報が届きました。故人の意思により香典はもちろん社葬なども一切禁止だとのこと。しかし１２月２８日に亡くなってから３ヶ月経ちます。そろそろお線香かあるいは何か気が利いたものをご遺族に送ろうかと考えています。
石井社長は私のことを「関西」と呼びます。自分も関西のくせにというか同じ播州人です。私が育った神戸市垂水区は明石市と隣接しており、垂水も今は住宅街ですが元はといえば被差別部落です。そこへ台地を削って団地をいっぱい建て、西日本各地から港湾労働者を中心に仕事を求めて移住してきたのです。私の父も愛媛県から移住しました。
石井社長の口癖は「アイラブユー」です。誰にでも「アイラブユー」と言います。「おいっ！関西！」「社長なんですか」「アイラブユー」とか。あと「ポンユウ」という言葉も好きでした。「僕と彼とはポンユウだ」のように使います。これは「親友」という意味で、中国語の「朋友」に由来します。であれば正しい発音は「ポンヨウ」なのですが、何故か社長は「ポンユウ」と言います。
私が石井社長を知ったのは大阪守口時代。１９９７年頃から紳士服副資材卸の会社を辞めて東京へ出て出版社を立ち上げようと考えました。そこで京阪萱島駅前の古書店で明石書店の『韓国・朝鮮を知るための５５章』（現在のエリア・スタディーズの源）を買い、奥付をみて「こいつが社長やな」と。で、弟子入り志願の手紙を書いた。そしたら数日後に段ボールが届き、開けたら自分が表彰されたり取材を受けたり講演したりした新聞・雑誌のコピーがてんこもり。それに手紙が付されていました。いやあ、感動したなあ。それらは今も大事にしまってあります。
それから社長が大阪出張のときに会うこととなりました。梅田の新阪急ホテルの喫茶店です。鮮明に記憶しています。社長は「出版社の社長は暗算ができないといけない。刷り部数がいくらでなににいくらかかっていくらもうかるとか、直感でひらめいてその企画のるかどうか決めねばならない。あなたにはできますか」みたいな。ちなみに石井社長は私と違い関西弁は使わない。アクセントも標準語。ただし自分のことを「僕」と言う。
怒るとおそろしい勢いで怒鳴り散らすけど。播州はあんなおっさんばかりだから私は慣れてたけどみんな震えあがってた。
それから１９９８年５月に会社を辞め、石井社長とアポを取り東京へ行きました。JR御茶ノ水から歩いて湯島まで行きました。しかし石井社長は私が勝手に会社を辞めたと知り烈火の如く怒りました。「仕事というのは次が決まってから辞めるもんだ」と。これは石井社長ご自身の苦労から来るのだと思います。被差別部落出身者は就職差別に合いなかなか就職できません。石井社長は皮革製造の会社を立ち上げるのですが倒産させてしまいました。しかし部落解放同盟の機関紙作成に関わっていたため「僕には出版社を経営できる」と考え明石書店を立ち上げたのです。最初は部落問題ばかり扱っていましたが徐々にテーマが増え、「反差別」という根っこの部分は揺るがないのですが、広く人文社会系の書籍を扱う出版社となりました。
石井社長のおもしろい話は枚挙に暇がないのですが、今日は社長と息子さんと６０年安保時代のご友人と私の４人で台湾を旅行したときの写真を紹介します。時期は２００６年４月２７日から４月３０日です。
自己紹介。右から社長の息子さん、石井社長、安保のご友人、私。
ちなみに安保のご友人曰く「あのころの（６０年安保の）石井は髪の毛なんか爆発してて目はギラギラしてるし異様な形相で機動隊を睨んでた」。その頃の石井社長の写真は私も見たことがあるのですが、「異形」という言葉がぴったりだと思いました。よく知りませんが大きな組織のリーダーだったそうです。そして樺美智子さんが亡くなり闘争は血で血を洗うものとなっていきました。
明石書店から出版された『台湾総督府と慰安婦』の著者である朱徳蘭さんを表敬訪問。右から私、その手前に朱徳蘭さん、その娘さん、石井社長、レストランの女将さん（と思われる）、息子さん、ご友人。朱徳蘭さんの娘さんははにかみながらジャニーズの「嵐」が好きだと言っていました。これは今回の台湾旅行の写真で一番気に入っている写真です。
台北賓館（ホテル・タイペイ）の前で。
笑ってるのが私。石井社長は笑ってませんが機嫌がいいときの顔です。
石井社長とのツーショットはこの一枚のみです。
紀伊國屋書店と誠品書店を表敬訪問したのですが、どちらの写真がどちらだかわからなくなりました。
私は石井社長の訃報を今年２０２３年１月６日にある筋からの情報で知りました。「まだ公にしてはならない」ということでしたが、ちょうど東京ジャーミイに見学に来ていたので江戸川総合人生大学の野山先生には言いました。そして１月１３日に明石書店から訃報が届きました。故人の意思により香典はもちろん社葬なども一切禁止だとのこと。しかし１２月２８日に亡くなってから３ヶ月経ちます。そろそろお線香かあるいは何か気が利いたものをご遺族に送ろうかと考えています。
いい社長じゃないですか。(^_-)-☆
ただ、給料の話が全然出てきませんが、きちんと払ってくれていたんでしょうね？
by アニマルボイス (2023-03-31 23:17)
アニマルボイスさんへ
「おい！関西！給料てなんや？」
by リス太郎 (2023-04-01 09:20)
今日は正午に行徳駅前でフィリピン人のイメルダさんに会いました。サイゼリアで食事して遺族年金につき相談。資料が何もないのでアドバイスのしようがなかったので４月１４日に市川年金事務所についていくことにしました。おそらく遺族年金はもらえません。今日の報酬はサイゼリアの食事代です。こういった案件は下手に金をもらうと非弁行為ととられかねないし、まず私に遺族年金に関する深い知識がありません。こうやってできることを無償でやることによりお客さんを増やしていくんです。
by リス太郎 (2023-04-01 18:48)
存じませんでした。申し訳ありません。
お悔み申し上げます。
明石書店さんのHP、ときどき拝見しているのですが。。。
https://www.akashi.co.jp/news/n50873.html
by Tremont (2023-04-02 13:35)
リス太郎さん おはようございます。
ご冥福をお祈りします。あの「台湾の思い出」の記事の写真は、こちらで掲載されている4人で撮った記念写真から切り立ったものだったのですね。石井昭男さんとの思い出の深さを知りました。
by SORI (2023-04-03 05:35)
トレモン姐さんへ
ホームページありがとうございます。「１２月２８日８２才」ではなく「１２月３０日８３才」なんですね。本文を訂正しておきました。
by リス太郎 (2023-04-04 13:43)
SORI さんへ
たまたま台湾旅行の写真が出て来たので追悼ブログに使おうと。中国のアルバムもどこかにあるのですが見あたらず。また出てきたら紹介します。
by リス太郎 (2023-04-04 13:51)
落語の稽古をしている時間がないのでずっとこれをかけてます。
https://www.youtube.com/watch?v=oV5FU5w4thg
by リス太郎 (2023-04-04 16:25)
記憶の整理です。４月２日（日）は朝からゆっくり風呂に入ってると妻が「もう１０時やけど出かけんでええの」と。９時５０分にバプーでした。あわてて服を着てるとプラディープ社長から電話あり。「風呂で寝てまして」。
by リス太郎 (2023-04-04 16:28)
１０時１５分にバプーへ行くと大勢のインド人が集まってて。全員難民申請中。それを引き受ける久喜のデリーマハールグループのラジーブ社長。この日集まったのは８人のうち４人。在留カードやパスポートをスマホで写し大学の卒業証書を借りてくる。こういった申請は難しく、いったんインドへ帰って認定で呼び戻したほうがいいんだけど言うこときかないね。職務内容など聞いてくる。４月中申請を約束してきた。そうか。プラディープ社長にメールしなきゃいけないんだ。
https://ttzk.graffer.jp/corporations/5030003007621
https://info.gbiz.go.jp/hojin/ichiran?hojinBango=3030003015849
https://xn--zcklx7evic7044c1qeqrozh7c.com/companies/3013301039323
by リス太郎 (2023-04-04 16:39)
帰ってから妻と弁当とビールを持って宇喜田公園へ。ゴザひいて花見。
by リス太郎 (2023-04-04 16:41)
午後４時１５分に「ウルマ」へ。フィリピン料理開店日。アニマルボイスさんの奥様が作られた摘み簪を持って行ったところ大喜びで全部持って帰った。うちには一点だけ飾ってある。「めけめけ」と名乗るおっさんと親しくなる。年を聞くと私と同い年。禿げてるので上に見えた。大手町あたりの大きな会社の取締役が休みの日に地元で骨休めしてるのかと思った。FacebookとTwitterをフォローし合った。
by リス太郎 (2023-04-04 16:45)
昨日４月３日（月）は入管。本当は行く予定なかった。インド人に言われて調べて知ったんだけど本来の在留期間満了日を超えるとマイナンバーカードが使えなくなり再交付に千円ぐらいかかるらしい。妻がネットで調べたところ神奈川県のサイトが詳しいらしく、新しいカードを提示するか「更新中」と裏面に判を押した在留カードを見せれば更新できるらしいんだけど江戸川区の場合はよくわからないし、めんどくさいので月曜日に行った。尚、木曜か金曜にもう一度行く。入管から江戸川区役所に電話するとマイナンバーカードに関する問い合わせは番号が違うと。かけたけど誰も出ないのでアホらしくなったのでやめた。マイナンバーカード反対。
by リス太郎 (2023-04-04 16:52)
キショルの嫁の写真が顔が大きすぎ顎が切れてしまった。これがNGでカードが発行できないという。だったら申請時に言ってくれたらいいんだけどこういうことは多々ある。キショルから奥さん以外のお金をもらう。ガールズバーへは行かず仕事。そしたらタパ兄弟のタパ社長から電話。例の件（タマン）どうなってんのかと。今から来ると言うので息子さん（永住者の配偶者等）２人が働く西葛西の「千寿し」をご馳走することにした。８時半に来て打合せ。それからタマンに電話してスピーカーを使って３人でしゃべる。
by リス太郎 (2023-04-04 17:02)
私は漁師町の育ちなので声が大きく、特に東京では人に注意されることも多い。ただ、外国人を相手にしゃべる場合は「はっきり」「くっきり」「ゆっくり」「大きな声で」しゃべる必要があると思っています。しかしタパ社長の話では「タマンがびびってる」とのことらしく、ちょっとショックでした。
by リス太郎 (2023-04-04 17:11)
https://www.youtube.com/watch?v=ei5E2xpwiA0
台湾の蔡英文総統が米下院議長のマッカーシー氏らと会談する予定です。
by リス太郎 (2023-04-05 20:14)
https://gendai.media/articles/-/64326
北池袋の「新珍味」の「ターローメン」。開業したのは台湾独立運動家の史明氏。２０１９年に１００才で亡くなりました。「新珍味」の店は台湾独立運動家のアジトだったという。美惠さんというチャット友だちがいて、５月に東京で会うことになりました。東北から新幹線で来るので上野で待ち合わせ、池袋へ行って「新珍味」へ行こうと。池袋を散歩しそっからごちゃごちゃして夜は御徒町の天ぷら屋「上野徳仙」に行こうと考えています。
by リス太郎 (2023-04-05 22:12)
https://news.line.me/detail/oa-fnn/hu9eik4eu1xf?mediadetail=1&utm_source=line&utm_medium=share&utm_campaign=none
ウィシュマさんの映像を弁護団が公開。
by リス太郎 (2023-04-06 20:04)
長らくほったらかしになっていたジャパライフ新着情報です。
https://www.japalife.jp/topics/detail/id=682
by リス太郎 (2023-04-07 09:45)
そうか。ニュースを新着情報に入れるの忘れてた。
by リス太郎 (2023-04-07 09:46)