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入管法(難民法)2023改正(改悪)案参院委可決

先日、強行採決が見送りになった入管法。「入管法」と略して言ってますが正式には「出入国管理及び難民認定法」といい、諸外国の中で「出入国管理」と「難民認定」を同じ法律にて同じ役所が扱うのは稀です。これはそもそも入管法がポツダム政令(「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件)として昭和26年(1951年)10月4日に制定公布された歴史があります。要するに朝鮮人の主権が連合国軍に定められたわけです。そこに入管法の基礎があり、今日に至ります。難民認定は後付けなのです。

いま、スリランカ人のウィシュマさんが亡くなられてからずっと、この問題で揺れてきました。日本維新の会の梅村みずほ参院議員は「ウィシュマさんは詐病」ととんでもない発言をして批判をされました。そして6月6日でしたか。大阪入管の常勤医師が飲酒診断をしている疑惑が持ち上がりました。齋藤法務大臣に問責決議案が出されることとなり、これを避けるため入管法改正を見送りました。

そして昨日、6月8日、改正案が参議院法務委員会で可決しました。全国で吹き荒れるデモの中。民意を嘲笑うかのように。今日9日に参院本会議で成立する見通し。今回の改正案には「監理措置」や「補完的保護対象者」などの目玉もあるのですが、いずれも問題があります。ですが一点に絞りたいと思います。

難民申請を2回申請すると3回目は「相当の理由」を示さなければ強制送還になってしまうことになるのです。ここが最大の改悪点。「相当の理由」は「あればいい」のではなく「自ら示さねば」なりません。命からがら逃げて来た難民にどうやって「相当の理由」を示すことができるのでしょうか。

難民条約(「難民の地位に関する1951年の条約」「難民の地位に関する1967年の議定書」)では第1条で、難民とは「人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けられない者またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者」と定義されています。この枠が日本は諸外国に比べ極端に狭いわけです。

Twitterなどを見ていると「移民難民に反対!」などと大威張りで書いている人物がいます。どうも「移民」(migrants)と「難民」(refugee)の区別もついていないようで呆れます。そも難民条約とは何か。難民条約の批准国である日本が難民に反対も賛成もないし人道的にどうだという話です。移民についても大きく3種類あります。まずは労働者として来日した出稼ぎの就労系です。そして永住者・日本人の配偶者・永住者の配偶者・定住者といった別表第二の永住系外国人です。そして最後に留学生。みんなが協力して日本の国を成り立たせているのです。

クルドやロヒンギャやミャンマーの政治亡命者などを見殺しにするのが今回の改正案です。みんなで反対しましょう。

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リス太郎

今朝の朝日新聞1面と3面に入管法の記事が載っています。
by リス太郎 (2023-06-09 08:19) 

リス太郎

入管は「相当の理由」とか「特段の事情」とかいう言葉が好きなんですが、あいまいなんですよね。
by リス太郎 (2023-06-09 08:21) 

リス太郎

昨日は福岡地裁で同性婚を認めないことの違憲判決がありましたが、佳境に入ってきました。また記事にしたいと思います。
http://emajapan.org/promssm/ssmqaa/qa7
by リス太郎 (2023-06-09 08:27) 

リス太郎

昨夜は眠い目をこすりながらブログを書きましたが、今日午前に江戸川総合人生大学でこの件について発表があるんです。その準備でした。
by リス太郎 (2023-06-09 08:31) 

リス太郎

そのあと東京入管へ行きます。
by リス太郎 (2023-06-09 08:31) 

リス太郎

「ノン・ルフ―ルマンの原則」について書き忘れました。
難民条約33条
難民を彼らの生命や自由が脅威にさらされるおそれのある国へ強制的に追放したり、帰還させてはならない。
これでも今回の改正案は条約違反ではありませんか。
by リス太郎 (2023-06-09 09:02) 

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