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エセ同和を批判する前に (奈良市元職員事件に思う)

奈良市の元職員が5年以上も病気を理由に休暇・休職を繰り返し、給料だけはちゃっかりもらってたことが明るみに出た。
おまけによめはん名義の自分の会社に市の工事2億5700万円を受注させていたんだとか。
それだけのことなら「とんでもないやっちゃな」で、あえて記事を書こうとは思わないのだが・・・。
問題はこの元職員、部落解放同盟奈良支部の副議長だったということ。
そして私が何を主張したいか。
ネットでは同和事業に対する差別と偏見に満ちた記事が目白押しである。
言論の自由であるからこっちも意見を述べたいと思う。

関西におけるエセ同和の実態はあまりにもひどい。
大阪もそうだし京都もそう。
そして今回は奈良である。
関西出身者として嘆かわしい限りである。
まじめに同和問題に取り組んでおられる方々、同和地区に暮らす方々の心情は察するに忍びない。
今後こういった事態が発生しないよう、行政にはエセ同和行為を排除する努力を強く望む。

しかし、私が今日、主張したいのはそんなことではない。
エセ同和への批判など、何も私がやらなくてもやる人は掃いて捨てるほどいるからだ。
私はそんな多数派の代弁などしようとは思わない。
私が問題としたいのは、エセ同和憎しの感情から再び部落差別が助長されることの危険性である。

その昔、昭和30年代には部落出身者は学校もまともに行けなかった。
生活は困窮を極め、結婚差別や就職差別は今以上にひどかった。
そんな生活をなんとかしようと立ち上がったのが、部落解放同盟をはじめとする同和団体である。
彼ら彼女らの血のにじむ努力が再び水泡に帰すことのないよう切に願う。

程度の低いくだらないブログで小悪人を吊るし上げるのはさぞかし楽しかろう。
いつも思うのだが大衆というのは巨悪に目が向かない。
マンション偽装問題でも姉歯ばかりが悪者にされる。
社会の闇を洞察し巨悪をえぐり出すのがジャーナリストの使命だが、日本のジャーナリズムは提灯記事しか書けない。
特に民放のくだらない報道番組、お前ら全員やめてしまえ。
明日から一日中お笑い番組やってろ。

悪いことをした人が部落出身者だったり朝鮮人だったりすると、それ見たことかと騒ぎ立てる。
日本人の精神構造は江戸時代から進歩がないのである。

最後に同和団体関係者に申し上げたい。
いま、その立場を利用して私腹を肥やす不心得者が後を絶たない。
エセ同和という言葉はずいぶん昔からあった。
暴力団とまで癒着している。

思い起こして欲しい。
部落解放同盟の前身である全国水平社の精神を。
西光万吉は1922年(大正11年)、京都岡崎公会堂での創立大会でこう宣言した。
「人の世に熱あれ、人間に光あれ」
有名な水平社宣言の結びの言葉である。


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コメント 8

ゆ〜ひ

わたしもリス太郎さんと同じ思いでいます。血のにじむ思いで解放を今も訴え続けている人たちが、今どんな思いでいるのか。報道を聞く側の差別心は、京都・奈良・大阪などの事件の報道で、「ああ、やっぱり・・」とすべてが悪いように判断してしまうところ。。。少しでもそう思うなら「私は差別なんてしてないから」って他人事のように思っている自分の心に気がついてほしいです。
私は今回の事件がもっと注目されることで、世間の人が被差別部落の人たちに関心を持ち、正しい理解をされるように動いていかないかなあとも思っています。だから今回のことをきっかけに、エセ同和行為については徹底的に調査され、徹底的に撲滅されてほしいです。
最後の水平者宣言の言葉、「日本初の人権宣言」というぐらいにもっと世の中に知らされてもいいのではないかと思います。(また長くなっちゃった(^-^;すみません。 )
by ゆ〜ひ (2006-10-30 05:52) 

リス太郎

ゆうひさんへ
いつもありがとうございます。最近ゆうひさんとこ行ってなくて、申し訳ないなあと思ってたとこです。近いうちに必ず行きます。
ご存知かもしれませんが私が勤める出版社は部落問題から出発した会社です。創業時はそんな本ばかり出していました。原点なのです。創業者のうちの社長も兵庫明石の部落出身。いま66歳ですが、相当な差別を受けてきたようです。役所に勤めたり皮革製品の会社を経営したり(倒産しました)してきましたが、部落解放同盟東京支部の元幹部でもあります。部落解放の仕事に関わるうち出版社を立ち上げる基礎が出来ていったと聞いています。
小林よしのりという漫画家がいます。お坊ちゃま君だけ描いてりゃよかったのに社会問題に足を踏み入れ、もともと少し単純な人なので右翼団体に担がれ変な漫画ばっかり描いています。右翼団体と交流する前の小林はまだまともでした。オウム真理教ともたったひとりで闘いました。そんな小林の昔の作品に『差別論』というのがあります。初出は大阪の解放出版社です。これは一部問題な記述もありますが、部落差別を考える上で貴重な、そして画期的な作品だと思います。その後、小林の思想はどんどん右傾化し、とどまるところを知りません。有能な漫画家なのに残念です。
by リス太郎 (2006-10-31 04:26) 

ぽんきち

京都や奈良・大阪であった一連の事件は、エセ同和じゃない
んじゃなかったですか?”本”同和じゃないんですか?
私は、京都に住んでいますが、同和の実態をルポした本を読んで
思った事があります。ご存じの本だと思います。
今現在まじめに暮らしていらっしゃる地区住民の方でさえ、既に収入
面で昔の差別のひどかった時代と比べて、大きく改善されているにも
拘わらず、同和対策の恩恵(?)に預かっている方が多いと。
不法行為でないだけに、もらわない理由もないと言う事で。
保育園も月5000円とか、進学祝い金のようなものとか・・・
そして、選考採用とか・・・
そう言う既に施策を必要としない世帯へも一律行われる施策を、
この先も獲得・維持して行く事こそ、新たな差別を生んでいると
書かれていました。
全くその通りと感じます。自分達で自分達を線引きしているように
感じてならないです。昔はその存在意義もあったであろう解放同盟
等解放団体自体が、現在の部落差別の継続に最も寄与しているん
じゃないでしょうか。この調子じゃ差別は永遠になくならない気が
します。
どう思われます?
それと、小林よしのり氏は左翼思想の人から見ると右傾化かも
知れないけど、私は支持しますね。右傾化とも思ってない。まあ、
これは、お互いの立ち位置で相容れないのは分かってますが。
by ぽんきち (2006-11-02 00:06) 

リス太郎

ぽんきちさんへ
まず、エセ同和という言葉、私は、同和地区の人であれそうでない人であれ、同和団体であることを利用して、(あるいは語って)行政から不正に金銭を得る人たちという意味で使用しています。ただ、この言葉、あまり好きではないので使いたくないです。
あなたが読まれたのはおそらく別冊宝島のムックですね。私も当然読んでますよ。もうずいぶん昔ですけどね。ただ、あなたのように全くその通りとは思いませんでしたね。新たな差別を生んでいるのはあなたのようなとらえ方をする人たちです。私の記事をよく読んでいただければわかると思うのですが、「エセ同和」は「エセ同和」、何の罪もない同和地区の人は同和地区の人として区別する必要があるということです。あなたのような人がいる限り、おっしゃるとおり差別は永遠になくならないでしょう。
あと、私のことを左翼と呼んでくれるのはいいんだけど、もう少し私の他の記事も読んでからにしてくれませんか。
by リス太郎 (2006-11-02 00:50) 

ぽんきち

あなたが左翼、と誤解していたのは失礼しました。
しかし別冊宝島ムックではありません。「同和」中毒都市、誰も書かな
かった「部落」です。悪いが、私みたいなのでなくても、そんな施策を
実施し続け、獲得することが解放だ、と認識し続ける限り、市民が
同和の存在を知ってしまうわけだから、ホント申し訳ないけどそこ
から、再差別が始まると言えるね。いや、逆差別と認識してしまう。
私のコメントに気分を害された様ですが、差別はなくならんよ、今の
ままでは。
by ぽんきち (2006-11-02 22:01) 

リス太郎

別に気分なんか害しとらんよ。あんたが読んだ絵本がなんやろうが興味ないな。あーねむ。
by リス太郎 (2006-11-02 23:21) 

つるまき

リス太郎小さいな・・・
by つるまき (2007-11-15 01:46) 

リス太郎

つるまきさんへ
ぽこちんは確かに小さいかもね。
by リス太郎 (2007-11-15 07:46) 

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