扇好亭酔平の初高座 2008年3月8日雑司ヶ谷割烹大倉にて [大衆芸能]
扇好亭酔平というのが私の芸名です。
この芸名で初めて高座を務めました。
3月8日(土)のお昼、雑司ヶ谷の割烹大倉で第12回歴懇芸能会が開かれました。
私が演じたのは上方の古典落語『くっしゃみ講釈』。
古典は難しい。
技量が要る。
つくづくそう感じました。
割烹大倉は大繁盛のようで、時間きっちりに退出しないと次のお客さんに迷惑がかるとのこと。
演芸を早く終わらさないと食ったり飲んだりしてる時間がない。
急きょ、巻くようにと指示が出た。
適当にはしょって短くすればよかったのですが、貧乏性で惜しくなり、はしょらなかった。
代わりに早口で演じたんですが、これがよくなかった。
アクの強い大阪弁は早口だと聞き取りづらいようです。
終わってからお客さんにいろいろ聞いてみると、反省点が多いです。
たぶん前半のことを言っておられると思うのですが、誰がしゃべってるのかわかりづらかったとのこと。
人物の描き分けが雑になっていた証拠で、猛省すべきです。
出番前の私はいつになく落ち着きがありませんでした。
廊下を行ったり来たり。
出囃子の「カモメの水兵さん」が生演奏で流れる。
高座へ上がってしゃべりだす。
マクラで予想通りの笑いをとって、すぐにネタに入る。
声が上ずることもなく、スコーンと奥の壁までテニスボールのように声が伸びる。
ただ、いつもと違うのは口の中がカラカラで、舌が口の中の上やら下やらペタペタくっついてしゃべりづらい。
適当に間をとって口の中を湿らそうとするのですが、これが唾液の一滴も出まへんねん。
アホが後藤一山に犬の糞を顔になすりつけられた話をする場面。
「横町の八百屋で胡椒の粉2銭がん」が覚えられず何度も同じことを聞いて政はんを怒らす場面。
いずれもくすくす笑いのみでドカンとした笑いが来ない。
さて、アホが八百屋へ胡椒の粉を買いに行く。
アホと八百屋のおっさんのやりとり。
笑いが来ない。
こっから先、アホが八百屋の店先でカラクリを語る場面。
「誰よりもおもしろく演る」とホラふいたとこ。
シーンとしてたよな。
最初は「小伝馬町より引き出され、先には制札紙のぼり、同心与力を供につれ」。
次が「裸馬にと乗せられて、白い襟にて顔かくす、見る影姿の人形町の、今日で命の尾張町の」。
そして「今どんどんと渡る橋、悲し悲しの涙橋、品川女郎衆も飛んで出る」と続く。
「小伝馬町より」をやってるとき、「次は裸馬や」と頭の片隅で確認する。
と同時に「その次はなんだっけ」といらんことを考えた。
出てこない。
口が勝手に覚えてるから気にしなくてもいいんだけど、何故かすごく気になった。
それがために八百屋とのやりとりが雑になった。
ウケないときというのはいらんことを考えるもんです。
ただ、八百屋のおっさんから胡椒の粉が売り切れと知らされる場面で、大きな笑いがあった。
枝雀師匠ならここで見台をかかえてひっくり返るんですが、私はここをそんなに重視してませんでした。
あんだけ苦労してやっと胡椒の粉を思い出したのに売り切れというこの場面。
初めてこの話を聞く人には、「あはは、残念だったね」という笑いがある。
同じ落語を何度も聴いている者には気がつかないのかもしれません。
笑いは少なくてもお客さんはちゃんとついてきてくれてる。
少し自信を取り戻した場面です。
そうは言ってもドッカンドッカンと連続した笑いがほしい。
そんな思いとは裏腹に話はどんどん展開していく。
講釈場へ行きなんのかんののくだり。
一番前の3人の女性からしか聞こえなかった笑いが、後ろのほうからも聞こえだす。
後藤一山が出てきて「難波戦記」を語る場面。
張り扇(実は中国の客人にもらったでかい扇子)と小拍子をバンバンやりながらとうとうと語る。
意外なことに拍手をいただいた。
おじぎをしてお礼を言ったあと、「そんなんで拍手いただく芸やないんですが・・・」とやったらえらいウケた。
そっから先は後藤一山が胡椒の代用のトンガラシの粉でくっしゃみを連発するクライマックス。
勢いあまって見台に頭をぶつけるという演出をしたんですが、いやぁ、ウケてよかったよ。
大事な見台を壊したらしゃれにならんので、力の加減が難しかったんですが。
終わったあと、ほん弥師匠が、「あがってたやろ」。
私はそんな素振りは見せなかったつもりなんですが、見る人が見たらわかるようです。
応援してくれた皆様に篤く御礼を申し上げます。
この芸名で初めて高座を務めました。
3月8日(土)のお昼、雑司ヶ谷の割烹大倉で第12回歴懇芸能会が開かれました。
私が演じたのは上方の古典落語『くっしゃみ講釈』。
古典は難しい。
技量が要る。
つくづくそう感じました。
割烹大倉は大繁盛のようで、時間きっちりに退出しないと次のお客さんに迷惑がかるとのこと。
演芸を早く終わらさないと食ったり飲んだりしてる時間がない。
急きょ、巻くようにと指示が出た。
適当にはしょって短くすればよかったのですが、貧乏性で惜しくなり、はしょらなかった。
代わりに早口で演じたんですが、これがよくなかった。
アクの強い大阪弁は早口だと聞き取りづらいようです。
終わってからお客さんにいろいろ聞いてみると、反省点が多いです。
たぶん前半のことを言っておられると思うのですが、誰がしゃべってるのかわかりづらかったとのこと。
人物の描き分けが雑になっていた証拠で、猛省すべきです。
出番前の私はいつになく落ち着きがありませんでした。
廊下を行ったり来たり。
出囃子の「カモメの水兵さん」が生演奏で流れる。
高座へ上がってしゃべりだす。
マクラで予想通りの笑いをとって、すぐにネタに入る。
声が上ずることもなく、スコーンと奥の壁までテニスボールのように声が伸びる。
ただ、いつもと違うのは口の中がカラカラで、舌が口の中の上やら下やらペタペタくっついてしゃべりづらい。
適当に間をとって口の中を湿らそうとするのですが、これが唾液の一滴も出まへんねん。
アホが後藤一山に犬の糞を顔になすりつけられた話をする場面。
「横町の八百屋で胡椒の粉2銭がん」が覚えられず何度も同じことを聞いて政はんを怒らす場面。
いずれもくすくす笑いのみでドカンとした笑いが来ない。
さて、アホが八百屋へ胡椒の粉を買いに行く。
アホと八百屋のおっさんのやりとり。
笑いが来ない。
こっから先、アホが八百屋の店先でカラクリを語る場面。
「誰よりもおもしろく演る」とホラふいたとこ。
シーンとしてたよな。
最初は「小伝馬町より引き出され、先には制札紙のぼり、同心与力を供につれ」。
次が「裸馬にと乗せられて、白い襟にて顔かくす、見る影姿の人形町の、今日で命の尾張町の」。
そして「今どんどんと渡る橋、悲し悲しの涙橋、品川女郎衆も飛んで出る」と続く。
「小伝馬町より」をやってるとき、「次は裸馬や」と頭の片隅で確認する。
と同時に「その次はなんだっけ」といらんことを考えた。
出てこない。
口が勝手に覚えてるから気にしなくてもいいんだけど、何故かすごく気になった。
それがために八百屋とのやりとりが雑になった。
ウケないときというのはいらんことを考えるもんです。
ただ、八百屋のおっさんから胡椒の粉が売り切れと知らされる場面で、大きな笑いがあった。
枝雀師匠ならここで見台をかかえてひっくり返るんですが、私はここをそんなに重視してませんでした。
あんだけ苦労してやっと胡椒の粉を思い出したのに売り切れというこの場面。
初めてこの話を聞く人には、「あはは、残念だったね」という笑いがある。
同じ落語を何度も聴いている者には気がつかないのかもしれません。
笑いは少なくてもお客さんはちゃんとついてきてくれてる。
少し自信を取り戻した場面です。
そうは言ってもドッカンドッカンと連続した笑いがほしい。
そんな思いとは裏腹に話はどんどん展開していく。
講釈場へ行きなんのかんののくだり。
一番前の3人の女性からしか聞こえなかった笑いが、後ろのほうからも聞こえだす。
後藤一山が出てきて「難波戦記」を語る場面。
張り扇(実は中国の客人にもらったでかい扇子)と小拍子をバンバンやりながらとうとうと語る。
意外なことに拍手をいただいた。
おじぎをしてお礼を言ったあと、「そんなんで拍手いただく芸やないんですが・・・」とやったらえらいウケた。
そっから先は後藤一山が胡椒の代用のトンガラシの粉でくっしゃみを連発するクライマックス。
勢いあまって見台に頭をぶつけるという演出をしたんですが、いやぁ、ウケてよかったよ。
大事な見台を壊したらしゃれにならんので、力の加減が難しかったんですが。
終わったあと、ほん弥師匠が、「あがってたやろ」。
私はそんな素振りは見せなかったつもりなんですが、見る人が見たらわかるようです。
応援してくれた皆様に篤く御礼を申し上げます。
めぎさん、ゆゆちゃんへ
ナイスありがとうございます。
by リス太郎 (2008-03-17 22:56)
ワタシはどんなにおかしくてもくすくすとしか笑えません
やっぱり演ってるほうは どっかーん がいいのかな~?
by mompeli (2008-03-20 09:16)
どっかんどっかんがええね。最高に気分がいい。あの快感にまさるもんはないな。
by リス太郎 (2008-03-20 09:47)
じゃ今度はおもいっきり笑ってみます(笑)
by mompeli (2008-03-21 14:21)