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上方落語『青菜』の料理の仕方  [大衆芸能]

落語会は9月6日午前11時半より、雑司ヶ谷「割烹大倉」にて。
名古屋出張から新幹線で帰京し直行する。
なんか売れっ子漫才師みたい。

なんてのんきなこと言ってる場合ではない。

今回は『青菜』という演目をやります。
枝雀師匠の十八番でもあり、知っている人も多いかも。
同じ演目は江戸落語でも演じられますが、ストーリー展開や演出が上方とはかなり違います。

何をやろうか迷っているとき、葛西図書館で借りた笑福亭仁鶴師匠の『青菜』を聴いた。
笑い転げるよめはんを見て「これや!」と思った。
いろんな師匠の『青菜』を江戸川区中の図書館からかき集め聴いた。
仕草を研究するため枝雀師匠のDVDを買ってきた。

上方落語では演目によって、見台と膝隠し、それに小拍子を使います。
この『青菜』の場合、見台その他は普通は使わない。
使う必要がないし、使わないことの効果もある。

江戸落語では見台を使う習慣がないのですが、実を言うと見台を使わないほうが落語は難しい。
お客さんから演者の足が丸見えになる。
正座した膝と、その上に置いた両手の演技力が要求される。
腰から下に常に注意しながら演じなければならない。
植木屋と旦さん、旦さんの奥さんと植木屋のかか(よめはん)、風呂へ誘いに来た大工の松っちゃん。
腰から下でどう演じ分けるか。

いろんな落語家さんの『青菜』を聴いたんだけど、みんなそれぞれ工夫してるなと思います。
仁鶴師匠のスピード感とたたみかけるようなギャグ。
枝雀師匠の人物描写、情景描写の巧みさ。
「ゴミ捨て場からハエが立ってる」という表現は文学的でさえあるような。
私なりにどちらも消化したいんだけど、当然ながらうまくいきません。

オチをどうするか。
枝雀師匠はエッセイの中で、「演者に戻らず登場人物の植木屋になりきってオチを言うべき」としています。
演者に戻ってオチを言うやり方は、この落語に限らず東京の落語家さんが好むようですが、枝雀師匠は否定的。(別のエッセイの中では東京の演じ方に理解を示す記述も見られる)
私はまあ、どっちでもいいんだけど、枝雀理論に従うつもりです。

枝雀師匠はこんなことも言っています。
「植木屋のかかがセリフを言い間違えたというのでは可哀そう。私は植木屋の教え方に問題があったというふうに演じています」
この人、どこまで繊細なんだろうと思う。

私も何か独自の演出をしたい。
オチの部分で、植木屋と植木屋のかかににらめっこさせようかと思ってます。
植木屋は「なんでそこで間違えるねん!」というのに対し、かかは「なんかまちごうてる?」という無言の会話。
植木屋のかかを単にがさつな職人のよめはんとしてだけ描かず、かわいらしさのようなものが描けたらと思っています。

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リス太郎

ごめん、きづかんかった。ナイスありがとう。
by リス太郎 (2008-09-07 21:53) 

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