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『住吉駕籠』あれこれ (第16回歴懇芸能部落語会にて) [大衆芸能]

4月3日に割烹大倉で16回目となる歴懇芸能部落語会がありました。
結婚を控えて落語どころじゃない奴凡ちゃんは録音係にまわり(まだ心の準備ができてないらしい)、ほん弥師匠が『動物園』と『一文笛』の2席を熱演。
いつものように落語ありギター漫談あり、わけのわかんない朗読あり。(失礼)
雪珍亭雲痴師匠は紙粘土で作ったうんこを客席に投げつけたりして、実に愉快な落語会でした。

雲痴師匠の落語は『おしり山』というネタ。
これは『あたま山』(上方では『さくらんぼ』)という噺をもとにした自作のネタ。
古典の改作ともいいますが、ほとんど原形をとどめてないので新作に近い。
うんちにまつわる噺しかできないらしい。

私もそろそろ新作を演りたいと思うのですが、練り上げるのに時間がかかる。
アイデアだけはいくらでもあるんですが。

最近思いついたのはこんな噺。

元バク転イーグルスの野々村監督。
100歳になってもお元気で少年野球の監督をしてる。
ジンクスを気にする性格は相変わらずで、勝ちが続くとおむつを換えない。
怒ったサッチーは何とかおむつを換えさせようと野々村監督を追いかけまわすのですが・・・。

これは雲痴師匠に演ってもらおう。

渡辺マリナーズのヒチロー選手のサクセスストーリー。
扇監督(女)の指導の下、天井からぶら下げたボールを3年間にらみつづける。
ある日、ボールが運動会の玉ころがしみたく大きく見えた。
これでどんな球もバットの芯でとらえられると喜んで球場へ。
打席に立ったヒチロー、デッドボールで重傷。

これは中島敦の小説『名人伝』のパロディ。

どうでもいいか。

私は中トリで『住吉駕籠』を演りました。
こっから先はあまり面白くないので忙しい人は読まなくていいです。

『住吉駕籠』は上方落語の爆笑ネタで、東京では『蜘蛛駕籠』。
きっちりサゲまでやると30分以上かかる。
あまり長いのはお客さんがダレるのでマクラも込みで20分ぐらいにしたかった。

この噺、多くの演者はサゲまでやりません。
米相場師が駕籠に二人乗りし、駕籠の中で相撲をとり、底が抜けてしまう。
「下りてくれ」という駕籠屋に相場師は、下りるのはゲンが悪いから中で歩くという。
足が8本ある駕籠を見て町の人が、「あれがほんまの蜘蛛駕籠や」というオチ。

私はここを省略するのがどうしても嫌やった。
この噺は確かに前半に笑いが多いのですが、途中で切るのは納得がいかない。
なんとか20分にするため、前半を大きくはしょった。

お侍が出てくるとこや駕籠屋をおちょくりにくる夫婦のくだり、酔っ払いがよめはんののろけ言うて挙句に浄瑠璃語り出す場面・・・。
すべて省かしていただいた。
あと、酔っ払いがヘドを吐く場面があって個人的には大好きなんだけど、料理屋さんでやるので遠慮した。
うんこ投げるのがありなんだからやってもよかったんだけど。

でもやっぱり一番受けたのは酔っ払いのくだりでした。
酔っ払いが駕籠屋にからんでおんなじこと何べんもいう。
同じ噺を幾度となく聴いてると麻痺するんですが、やはりここが一番面白いらしい。

ちょっと真面目な話。
こっから先はますます面白くないので、まだ読んでる人は仕事に戻ってください。

駕籠屋というのは町で帳場を構える駕籠屋と、街道筋で客待ちをする駕籠屋とがあった。
街道筋の駕籠屋には悪い奴も多く、身ぐるみはがれたりという被害も多かったらしい。
落語の舞台の住吉街道は大阪から堺へと通じた街道で、町中のためそういう悪い奴は少なかったらしい。
駕籠は親方から借りて商売をしており、日銭を稼ぐのに必死になっている。

街道筋の駕籠屋に対する町の人たちの偏見を感じる。
落語の中のささいなセリフにそれを感じます。
これをすべて排除すべきか、という問題。
私はあえて残した。
なぜなら、駕籠屋の生き様を描きたかったから。(そんなたいそうなもんでもないが)

落語を繰り返し聴いてると面白いことに気づきます。
お侍は別格として、みんな駕籠屋に対して下に見てる。
この落語、私が削ったとこも入れるとかなりの登場人物がいるんですが、みんな上から目線。
ところが二人だけそうでない人がいる。

最後に出てくる堂島の米相場師。
相場師は駕籠屋にとって客だし、羽振りもいい。
駕籠をこわしといて、「まどたるやないか」と開き直る。
しかし人間として下に見てはいない。
おんなじ土俵の上、あとはどっちが得するか、という話。

サゲまでやりたかったのはそんな理由もあります。

また、仲のいい友達である相場師の二人連れが「いっしょに話しながら帰りたい」という人情は、現代人にも大いに共感できる。
気の合った友達と飲んでて別れてひとり最終電車で帰るとき、一抹の寂しさを感じるのは私だけじゃないはず。

「祇園町でばったり出会うて、そっから一座して、あっちぃ寄ったりこっちぃ寄ったり、伏見まで、三十石の中もずうっと飲み続けでな、大阪へ帰ってからもキタからミナミ、とうとう住吉まで足のばしてもて・・・」
「そうそう。そこへあんた、このままごちゃごちゃしゃべりもって堂島まで去ねまへんかてなこというもんやさかい、どうです、この私の書いた筋書き、これやったらごちゃごちゃしゃべりもって堂島まで去ねまっせ」

駕籠に二人乗りしたいなら駕籠賃を倍以上払えばいいのかもしれない。
しかしそういう札束でほべたを叩くようなことはしない。
あくまでも対等に考えてる。
商家とも違う、相場師の自由な気風を感じます。

今回、この『住吉駕籠』はネタおろしだったのですが、可能な限り多くの師匠方の演り方を参考にさせていただきました。
中でも5年前に急逝された桂吉朝師匠のCDには特に感銘を受けました。
天国の吉朝師匠に感謝したいと思います。

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コメント 2

リス太郎

ゆゆちゃんへ
ナイスおおきに。なんかしゃべりいや。
俺のいいひん間、エロ事師のコメントがあったら削除しといてな。
by リス太郎 (2010-05-22 15:08) 

ゆゆ

え゛、あたしが?(できるんだっけ?)
by ゆゆ (2010-05-22 18:24) 

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